ライト文芸

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断頭台の友よ(34)

<<はじめから読む! <33話  早速、明日カルノー邸に向かう約束をしているオズヴァルトに便乗することになる。引き出しから勝手に便箋を取り出して、連れがいる旨をしたためる。その横顔を眺めて、クレマンは自分に負けず劣らず、彼の顔色もよくないこ...
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断頭台の友よ(33)

<<はじめから読む! <32話 「どうした。今にも自殺しそうな顔だな」  オズヴァルトは軽い気持ちで口にしたのだろう。口にしたその瞬間には、クレマンの顔を見ておらず、ブリジットが焼いた菓子に手を伸ばしていたのだから。焼き菓子を口いっぱいに頬...
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断頭台の友よ(32)

<<はじめから読む! <31話  一人娘の結婚は、商売のためであった。マイユ家の三男坊、オズヴァルトとの結婚はイヴォンヌに課せられた義務であった。  だが、彼女は恋をしてしまった。相手は、バロー家の前の使用人頭の男だった。ゴーチエたちは男の...
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断頭台の友よ(31)

<<はじめから読む! <30話 「イヴォンヌ嬢のお子さんは、どうなさったんですか?」  聞き方はいろいろあった。だが、あえて衝撃的な台詞を吐き出したのは、バロー夫妻の反応を見るためであった。不意を突かれると、人は取り繕うことができない。彼ら...
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断頭台の友よ(30)

<<はじめから読む! <29話  イヴォンヌの事件からひと月以上が経過しており、バロー商会も通常営業に戻りつつある、らしい。推測でしか話すことができないのは、オズヴァルトも社交界での聞き込み捜査が忙しく、バロー邸を訪れることがまれになってお...
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断頭台の友よ(29)

<<はじめから読む! <28話  早馬を走らせ、屋敷の前に辿り着いてから、クレマンは自分の浅はかさに舌打ちをした。今日はオズヴァルトがいない。約束をしていないクレマンに、彼らは会ってくれるだろうか。  とっぷりと日が暮れており、今頃は食後の...
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断頭台の友よ(28)

<<はじめから読む! <27話 「ああ、乾燥のせいですね。赤くなっている」  まだまだ先は長いので、手早く終わらせるため、クレマンは保湿剤を調合し始める。引っ掻きすぎて傷になっているところもあるので、炎症を抑えるはたらきのあるハーブを混ぜて...
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断頭台の友よ(27)

<<はじめから読む! <26話  オズヴァルトは、女性の話を聞き出すのに難儀しているようだった。標的にした女性は、オズヴァルトが考えていたよりも、もっとずっと、情に深い人であった。幸せな結婚をしていても、無惨に殺された元婚約者のことを頭から...
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断頭台の友よ(26)

<<はじめから読む! <25話  夜遅い時間までかかって、翌朝の診療の準備を終えたクレマンは、そっと寝室へと入った。朝早くから家事に勤しむ妻には、先に眠るように言ってある。灯りはすでに消えていて、今日はちょうど新月。月明かりも何もない寝室は...
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断頭台の友よ(25)

<<はじめから読む! <24話 「でも、これまでよりも一歩踏み込んだところまで話を聞けそうな人と親しくなったんだ。今日も彼女と会うから、これから先に期待してほしい」  広く浅くから、狭く深くに的を絞って聴取をする作戦に切り替えたオズヴァルト...
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