恋愛詐欺師は愛を知らない

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恋愛詐欺師は愛を知らない(14)

<<はじめから読む! <13話  金曜の夜の街は賑やかだった。それでも、渋谷や新宿などに比べれば、この南青山エリアは「大人の遊び場」という雰囲気で、落ち着いた賑わいだ。  駅から歩いて七分、ややわかりにくい裏通りに、目当ての店は、ひっそりと...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(13)

<<はじめから読む! <12話  ピンク色の毛玉は、薫の部屋の一部になっている。その後のデートで手に入れた、ささやかな土産物も、きちんと棚に飾ってある。そのひとつひとつに思い出が詰まっている。  きっかけはぬいぐるみという、些細な物だったけ...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(12)

<<はじめから読む! <11話  別に欲しかったわけではないが、苦労をしてゲットしたぬいぐるみには、愛着が湧く。  目に痛いショッキングピンクの毛玉を、ぎゅっと抱き締めての帰り道、薫は立ち止まった。夕日の中で、先に歩いていた遼佑が振り返る。...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(11)

<<はじめから読む! <10話  薫が不細工なぬいぐるみを手に入れたのは、遼佑とのデートを続けていた、四月のことだった。  デート費用は静持ちとはいえ、彼女もまだ学生の身だ。あまり世話にはなりたくない。ただでさえ、遼佑の身辺調査で、大金をは...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(10)

<<はじめから読む! <9話  帰宅して、夕飯を食べるのも早々に、薫はベッドに横になった。稽古に参加した後はいつも、心地よい疲労感に包まれるのに、今日は違った。  土日も多目的ルームを予約することができたから、レッスンをすることになった。だ...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(9)

<<はじめから読む! <8話  三日もすれば、殴られた頬の痣は薄くなり、痛みもほとんどなくなった。鏡の中の顔は、怪我をする前と相違なく、ほっとした。  放課後、友人たちと別れた薫は、色とりどりの傘の間を縫って、駅へ向かった。家とは逆方向の電...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(8)

<<はじめから読む! <7話  年上の男が、セックスのとき以外で泣いているところなんて、初めて見た。透明な雫が頬を流れていく映像は、ぼんやりしていると脳内で何度もリピートされる。  薫は落ち着かない気持ちで、スマートフォンを弄っていた。ごろ...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(7)

<<はじめから読む! <6話 「なんでこんなこと……」  遼佑の呟きは独り言めいていた。薫は、彼の拘束を解くべく、粘着テープをはがしながら、詳しいことを語った。  本物の静は、初対面の合コンのときだけだったこと。その後の電話からは、ずっと薫...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(6)

<<はじめから読む! <5話  ホテルでの一件があった翌日、薫は湿布を貼った頬を押さえて、溜息をつき、教室のドアを開けた。 「はよーす」  そう声をかけると、クラスメイトたちも「はよー」「おっす」と声をかけてくる。そして彼らは一様に、薫の顔...
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恋愛詐欺師は愛を知らない(5)

<<はじめから読む! <4話  二度目のデートは、薫に多大な疑問を与える結果となった。  遼佑の方から「ショッピングに行こう」と誘ってきたが、彼は何も買わなかった。じっと見つめるだけで、店員から勧められても、笑顔で首を横に振っていた。  女...
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