次に歌うなら君へのラブソングを

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次に歌うなら君へのラブソングを(9)

<<はじめから読む! <8話  自分が入れる授業は入り、どうしても無理なところは今日は出勤していないアルバイトに急遽来てもらい、なんとか事なきを得た。授業中は花房を沢村に任せ、おかげで彼女も残業になってしまった。  頭を下げると、彼女は司の...
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次に歌うなら君へのラブソングを(8)

<<はじめから読む! <7話  花房を見守っていた司だが、そうはいっても、彼もいい年をした成人男性である。当然、手のかかる子どもたちを多数抱えている状況で、そこまで注意していられるはずもない。  顔を合わせてはちゃんと食べているのか、寝てい...
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次に歌うなら君へのラブソングを(7)

<<はじめから読む! <6話 「蓬田先生、お時間いいですか?」  丁寧な口調は声音も朗らかで、司は一瞬、呆けてしまう。「お前誰だ?」が顔に出ていたようで、花房は途端に、うろんな顔つきになる。慌てて取り繕って、「大丈夫」と笑うと、彼は気にした...
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次に歌うなら君へのラブソングを(6)

<<はじめから読む! <5話 「えー? 歓迎会開いてもらってないのー? ダメじゃないか、蓬田先生。新人を受け入れる、その姿勢が大事なんだから」  折しも、今日は土曜日。明日はテスト対策の特別授業も入っておらず、普通に休みであることを告げると...
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次に歌うなら君へのラブソングを(5)

<<はじめから読む! <4話  男――花房は、最低でも週に三回は、駅前で弾き語りをしていた。帰りに彼の歌を聞くことが、司の楽しみになっていた。観客はいたりいなかったり。通りすがりの一見客ばかりの中、常連になっていた司のことを、彼も認知してい...
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次に歌うなら君へのラブソングを(4)

<<はじめから読む! <3話  二十四歳。新卒一年目はどうにかなった精神力は、二年目になって急激に摩耗していた。何もかもが初めてだった新卒時よりも、勝手がわかってきてからの「なんかこれ、おかしくない?」の方が、辛い。  別に、やりがいや夢を...
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次に歌うなら君へのラブソングを(3)

<<はじめから読む! <2話  六月一日付で、花房はなふさ一里いちりは司の教室に配属された。小さな教室だから、社員は室長の司と、花房のふたりきりだ。 「蓬田先生。こちら、花房先生」  上長である湧田がわざわざ花房を連れてきた。  初対面の感...
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次に歌うなら君へのラブソングを(2)

<<はじめから読む! 『その新人、花房はなふさ先生っていうんだけどさ、社長の甥っ子なんだよね』  案の定、終電滑り込みコースになった司は、湧田の言葉を反芻しながら歩みを速めた。  五月も半ばを過ぎ、日中は真夏と紛うほどの暑さの日も少なくない...
次に歌うなら君へのラブソングを

次に歌うなら君へのラブソングを(1)

電話の向こうの声が、一瞬静まった後に、キンキンと甲高く響いた。 『じゃあ先生は、うちの子がずる休みをしたって言いたいんですか!?』  だからそうだって言ってんだろ。  反射的にそう受け答えしたくなる気持ちをぐっと堪えて、司つかさは下手に出る...
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