臆病な牙

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臆病な牙(5)

<<はじめから読む! <4話  落ち着かない気持ちのまま、冬夜は十時には店舗前に着いてしまっていた。慎太郎は真面目な店員だから、きっと早めに出勤するだろうと踏んだのだが、それにしても少し、早すぎたかもしれない。  自動ドアが開かないように、...
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臆病な牙(4)

<<はじめから読む! <3話  特に何の進展もなく、コンビニに通うのも惰性になってきた頃、冬夜は無事に二年生へと進級した。  金曜日の五限の講義を終え、今日の夜中は、何を買いにコンビニに行こうかと思案しながら帰り支度をしていると、後ろからず...
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臆病な牙(3)

<<はじめから読む! <2話  店を出て、二次会に行こうと盛り上がる皆の輪から、冬夜はこっそりと外れて帰路についた。  電車に乗っている途中で、分厚い雲から雨が降ってきたので、扉に寄りかかりながら、冬夜は舌打ちをした。近くにいた女性客が、青...
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臆病な牙(2)

<1話  冬夜がコンビニに通い、「かざまき」という名の店員と少しでも距離を縮めたいと思ったのは、この夏のことだった。  その日、サークルの活動の打ち上げコンパに参加していた冬夜は、居心地の悪さを味わっていた。  普段の飲み会であれば、冬夜は...
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臆病な牙(1)

「あー……腹、減ったな」  時計の針がてっぺんを指したのを確認してから、冬夜とうやはわざわざ口に出し、外に出る準備を始めた。一人暮らしの大学生で、別に誰かが遊びに来ているわけではない。  長期休暇で帰省した期間を除き、週に一度、毎週金曜日、...
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