重低音で恋にオトして

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重低音で恋にオトして(6)

<<はじめから読む! <5話 「あれ~? 松川まつかわじゃん。それに鈴木も。お前ら知り合いだったのかよ」  耳障りな甲高い声で、しかも早口。顔を見なくてもわかる。石橋である。  少数精鋭を謳う医学部は、学生同士はみんな顔見知りなのだろう。響...
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重低音で恋にオトして(5)

<<はじめから読む! <4話 「響一、こっちこっち!」  SNSでの癖で、「キョウ」と呼びかけそうになって、一度飲み込んだ。所在なさげにしている響一に、手をひらひらと振る。 「敬士くん。お待たせしました」  あからさまにホッとした表情を見せ...
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重低音で恋にオトして(4)

<<はじめから読む! <3話  自室のベッドの上、スマホを前にしてちょこんと正座した敬士は、緊張していた。  おかげで、待ちわびていたコール音とともにスマホに手を伸ばしたのはいいが、手が滑って落としてしまった。  一瞬、「やば!」と思ったが...
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重低音で恋にオトして(3)

<<はじめから読む! <2話  土下座をなんとかやめさせた敬士は、キョウ……本名・鈴木すずき響一きょういちと、リビングダイニングのテーブルを挟んで向かい合った。  響一は、茶を出してくれた。湯呑みを持つ手が、カタカタと細かく震えており、敬士...
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重低音で恋にオトして(2)

<<はじめから読む!  目を開ければ、見知らぬ天井だった。  敬士がヤリチンと呼ばれる人種なら、隣に見知らぬ女性が……というシーンである。しかし悲しいかな、敬士は童貞。ベッドには、他人の温もりはない。  しばらくぼーっと、前夜のことを思い出...
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重低音で恋にオトして(1)

四人兄弟の三番目として生まれて、今年で二十一年。  そのおかげか、空気を読む能力には長けていた。  年上の新入生相手にどう対応すべきか悩んでいる先輩とか、タメ口になっては語尾だけ「……ッす」と、中途半端な敬語に直す同級生。  彼らの前ではお...
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