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偽りの魔法は愛にとける(16)

<<はじめから見る! <15話 「ほしメンタルクリニック……院長?」  名刺とママの顔を交互に見る。この人は、本当に自分の知るママなのか? こんなに若く見えるのに、院長? というか、そもそも医者?  信じられない思いで、つい不躾な視線を向け...
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偽りの魔法は愛にとける(15)

<<はじめから読む! <14話  目を覚ました海老沢は、ゆっくりと身体を起こした。ソファに横たえられていて、額には濡れたタオルが置いてある。  まるで病人だ。いや、そのものか、と自嘲する。  嫌というほど見覚えのある空間だった。カウンターの...
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偽りの魔法は愛にとける(14)

<<はじめから読む! <13話  優と親しくする前の日常に戻っただけだ。会社に行き、仕事をして、帰る。「ステラ」に代わる店をそのうち探さなければ、と思いつつ、行動には移せないでいる。  部下たちからは、ひたすらに心配されている。  顔色が悪...
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偽りの魔法は愛にとける(13)

<<はじめから読む! <12話  日曜日の昼間に、海老沢は優に呼び出され、店にやってきた。  来るかどうかは少し悩んだ。あと三個しかないキャンディーだ。どのタイミングで若返るべきか判断がつかなかったからだ。  悩んだところで、キャンディーの...
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偽りの魔法は愛にとける(12)

<<はじめから読む! <11話 「またずいぶんと、ご無沙汰だったな」  氷抜きのウーロン茶を出したのは、バイトの青年ではなくて、ママ本人だった。今日はひとりらしい。 「新しい行きつけでもできたのかと思ったんだけどなあ」  優の店を贔屓にして...
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偽りの魔法は愛にとける(11)

<<はじめから読む! <10話  深呼吸してから、扉を開ける。 「いらっしゃいませ」  すかさずかけられる声の色は、途中で変化した。全員にまんべんなく与えられる歓迎から、少し親しい相手を目にしたときの喜びへ。優が海老沢を認識したからだった。...
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偽りの魔法は愛にとける(10)

<<はじめから読む! <9話  部下に指示を飛ばしながら、海老沢は自分の作業を進めていく。パソコンの画面と向き合い、会議資料をまとめる。  いつもよりも集中できている。だが、前髪がはらりと落ちて額に触れる度に、キーボードの音が止まる。髪の刺...
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偽りの魔法は愛にとける(9)

<<はじめから読む! <8話 「う……えぇぇ……」  今食べたばかりの食べ物が、形を保ったまま喉を通り抜ける苦痛に、海老沢は倒れ込んだ。皿の上に全部吐き戻してしまう。まだエビフライが残っているのに。 「エビくん!」  優は慌てて海老沢の背中...
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偽りの魔法は愛にとける(8)

<<はじめから読む! <7話 「ねえ、エビくん」 「は、はい?」  ようやく調理補助にも慣れてきた海老沢だったが、現在の心配事は二つ。 「叔父さん、もう店に来ないのかな? 何か聞いてる?」  海老沢が三十八歳の会社員として来店したのは一度き...
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偽りの魔法は愛にとける(7)

<<はじめから読む! <6話 「つ、疲れた……」  どうしても残業をしなければならなくなった一日を、海老沢は憂鬱に過ごした。本当ならば今日は、店を手伝いに行こうと思っていたのに。すでに開店時間は過ぎてしまっている。  昼の間に今日の残業はわ...
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