長編小説

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白金の花嫁は将軍の希望の花【6】

<<はじめから読む! <【5】 「お祖父様!」  夜になり、ジョシュアが帰宅した。  夕食の時間には間に合わなかったが、食後の茶を楽しんでいるところに、食堂に乗り込んできた彼は、開口一番、大きな声を上げた。  高貴な人間は大声を張り上げたり...
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白金の花嫁は将軍の希望の花【5】

<<はじめから読む! <【4】  結局、レイナールがジョシュアと再び顔を合わせたのは、三日後のことであった。  目の下に隈をつくり、表情は一層険しい。疲労がそうさせるのか、それとも仕事で気に入らないことがあったのか、レイナールは尋ねようとし...
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白金の花嫁は将軍の希望の花【4】

<<はじめから読む! <【3】  見送りの神官は、ごくわずかだった。  寝食をともにしたところで、白金の王子を友と呼んでくれる人間はいない。崇拝の目を向けられる生活は居心地が悪かった。  ボルカノでも宗派は違うものの、同じ神を祀っている。英...
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白金の花嫁は将軍の希望の花【3】

<<はじめから読む! <【2】  レイナール・アーノンが王家の養子になることは、産まれてまもなく、定められた。決して、己や父が望んだことではなかった。  母は産後の肥立ちが悪くて亡くなり、彼女を深く愛していた父親は、息子を手放したくないと抵...
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白金の花嫁は将軍の希望の花【2】

<【1】  グェイン侯爵の領地は、南の国境線に面した広大な土地であった。  歴史上、戦争が頻発していたこの地域では、いまだに様々な小国が小競り合いをしていて、周辺では飛びぬけた国力を持つボルカノ王国にも、時折飛び火する。  森を抜ければすぐ...
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白金の花嫁は将軍の希望の花【1】

「面おもてを上げよ」  想像していたのとは異なる声に、レイナールは一瞬、反応が遅れた。  母国で見た、ボルカノ国王の肖像画を思い出す。すらりとした威厳のある男だった。もっと若い頃は美形であったのだろうと推測できる。  彼の口から、怪鳥の鳴き...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【50】

<<はじめから読む! <【49】 エピローグ  その日を境に、僕のスマートフォンは、姉からの着信を告げることがなくなった。頻繁にやりとりをする友人は学校にはいないから、大輔や渚からの着信があるくらいのもので、静かな毎日を送ることになった。 ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【49】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【48】  一日中気を張っていたせいで、今日は食事がほとんど喉を通らなかった。昨日の今日なので、両親は僕のことを心配していた。  もともと、高校生男子にしては食が進まない方であるということは自...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【48】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【47】  翌日の午前中、親と交渉して休みをもぎ取ってきた大輔と合流して、糸屋へと向かった。嗅ぎつけたのか、大輔から聞いたのか、渚も一緒である。  気分のいい話ではない。大輔は僕の隠し撮り写真...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【47】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【46】  思い出した。すべて、思い出してしまった。  姉が死ぬ前日、つまり卒業式の日の夜の出来事は、僕の中では完全に黒歴史。思い出したくないトラウマになっていたのだ。  その諸悪の根源である...
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