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恋愛詐欺師は愛を知らない

恋愛詐欺師は愛を知らない(1)

恋人たちがロマンティックな時間を過ごす、夜の十時。窓からは、横浜・みなとみらい地区の夜景が美しく見えるのだが、部屋の主たちには関係がなかった。  とはいえ、お互いにお互いしか見えない、などという甘い理由ではない。一人はベッドの上に転がされて...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(29)

<<はじめから読む! <28話 「お前を混乱させないために、出会ったときの夢を見せていたから……気づかなかっただろう」  小さい頃のお前も可愛いな、と彼は言う。間に挟まれた「も」という文字の意味に一瞬遅れて露子は気がついて、頬が熱くなった。...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(28)

<<はじめから読む! <27話  母が死んだあの夏の日。使用人や女房達のすすり泣く声が、遠くの空まで響いていた。母は家じゅうから愛されていた。それに比べて露子は、誰からも顧みられない。  屋敷の片隅で泣いていた露子を見つけてくれたのは、年上...
レビュー

『幼きころ、大好きだったあの人は』(日野カルネ)

本当は三本レビュー書きたかったんですけどね……!pixivという時間泥棒に盗まれました。 『幼きころ、大好きだったあの人は』 本日2本目のレビューは、BLグランプリより 『幼きころ、大好きだったあの人は』 戦国を舞台にした男たちの切ない短編...
レビュー

『博元裕央ショートショート集』(博元裕央)

レビューが三作溜まっているので、今日は三本記事をアップする予定。予定は未定。 『博元裕央ショートショート集』 レビュー一本目はこちら。 『博元裕央ショートショート集』 ややSF多めのショートショート集です。 ショートショートってあんまり読ま...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(27)

<<はじめから読む! <26話  塞ぎこんでいる露子の気づかぬ間に、秋と冬は過ぎていった。弥生の頃になって、露子はちょうど、一年前のことを思い出していた。  幸せだったな、と思う。父がいて、雨子がいて。結婚の話が降ってわいてきて、慌ただしく...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(26)

<<はじめから読む! <25話  その後芳明は黙りこくって、裁きを待っていたが、露子の父は違う。どうにかして死罪を免れようと、必死になって言葉を尽くしている。だがそのいずれも、納得のできるものではない。 「私だって同じ藤原の姓を引いている、...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(25)

<<はじめから読む! <24話  丑三つ時。辺りは暗い。露子は欠伸を噛み殺して忍んでいた。最も霊たちが騒ぎ、結界が弱まる時間だということで、術者が結界を破りここにたどり着くのであれば、そろそろだった。 「眠いのなら、寝ていればいい」  烏の...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(24)

<<はじめから読む! <23話  宮中での騒動は極秘裏に処理されて、露子は俊尚の邸宅に戻された。雨子もまた、実家から帰ってきている。露子の身に起きたことを聞いて、「我々のせいですわ!」と、今にも自害しそうだった彼女を、なんとか宥めた。  部...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(23)

<<はじめから読む! <22話  喉が自由になって、露子は咳き込んだ。あまりにも急なことだったので、涙が滲むほど咳き込み、忙しなく呼吸をする。  ようやく明瞭になった視界に映ったのは、巨大な化け物だった。尾が三つに分かれていて、毛皮は淡く金...
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