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ライト文芸

星読人とあらがう姫君(14)

<<はじめから読む! <13話  外を歩けば熱波が襲ってくる夏だった。三つの露子が初めて経験する暑さだった。熱気によってまず、食欲がなくなる。そうすると体力も落ちる。母が倒れたのは、十日ほど前だった。  最初のうちは寝ていれば治る、と言い張...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(13)

<<はじめから読む! <12話  姫様、大変ですぅ! と、普段露子にとかくおしとやかにしろと言ってくる雨子が、どたばたと戻って来た。  東の対からは確かに通行らしい壮年の男の声が聞こえてきた。相も変わらず俊尚は喋らなかったようだが、その点は...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(12)

<<はじめから読む! <11話  烏の言葉どおり、俊尚の来訪は絶えた。 「それにしても本当に、烏も何も言ってこないとは!」  雨子は怒り狂っているが、露子は落ち着いていた。ただ、あの夏の夢を毎日見て、理由もわからぬまま、顔を知らぬ少年に謝罪...
レビュー

『エサを与えないでください(高校生BL短編集)』(日野カルネ)

8月も上旬を過ぎてしまいました。 全然イベント作品が読めていないことに焦りを覚えています。期間中に読めなかったらごめんなさい。9月になっても読み続けるので許してほしい……。 『エサを与えないでください』 今日はBLグランプリ参加作品です。 ...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(11)

<<はじめから読む! <10話  烏が振り返り、振り返りしつつ立ち去った後で、雨子がぽつりと言った。 「……流行り病の季節ですわね」 「うん」  水無月みなづきに入り、暑さは増している。蒸した空気はどこへ行っても逃れられるものではなく、健康...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(10)

<<はじめから読む! <9話  露子が俊尚に嫁ぎ、一月が経った。相変わらず夫である俊尚は多忙なようだ。夫婦の会話というものは皆無であり、露子を気遣った雨子は、弟に宮中での俊尚の様子や評判を調べさせた。  すると、父親から聞いていたのとは真逆...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(9)

<<はじめから読む! <8話  烏がいなくなってから、手元に残された花橘を見つめ、露子は溜息をついた。雨子も神妙な顔をして、「どういう意味なんでしょうね……」と言う。  二人の頭にあるのは、橘の花を詠んだ、とある歌だった。貴族で知らない者は...
レビュー

『人魚が陸にあがるとき』(ミラクル☆モリワキ)

お盆休み中の皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年はどこも行けないし、暇で暇で……という方、一緒に読書に勤しんでみませんか? Amazon kindle unlimitedは8月20日まで、2か月99円キャンペーン実施中だそうです。 『人魚が...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(8)

<<はじめから読む! <7話  翌朝目覚めた露子は、女房たちから質問攻めにされた。  旦那様はどのようなお姿? お優しかったですか? 逞しいお身体で、あちらの方もお強いのですか?  すべての質問が煩わしく、しかも答えられない問いばかりだった...
ライト文芸

星読人とあらがう姫君(7)

<<はじめから読む! <6話  その晩。白い寝間着に着替えた露子は、固唾を飲んで寝所で夫となる……いや、夫である男を待っていた。夕餉ゆうげ時にも彼は姿を現さず、食事の支度をしてくれた女に尋ねるが、彼女は何も言わずに首を傾げていた。  半日も...
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