『性春モラトリアム３+α』レビュー

「令和BL小説グランプリ」作品を全作レビューする企画も後半戦。楽しく読んでいます。
（が、読み放題で『クニミツの政』に手を出してしまったのであった……）

それでは本日も、張り切って！

『性春モラトリアム３+α』

11作目はこちら。

『性春モラトリアム３＋α』　（猫又）

……皆様お気づきでしょうか。タイトルもう一度ご覧ください。

そうです、「３」なのです……！　つまりこれは3巻目！　1巻2巻とあっての3巻目……ッ！

どうせなら1作目からちゃんと読むべきでしたが、読んでしまったものは仕方がないので、全作レビューが終わったら、1巻2巻とちゃんと読もうと思います。押忍。

まぁでも、3作目だけ読んでも話は通じたのでOKかと。

貧乏暮らしをしていた主人公は、父の生家である如月家に、彼の死後引き取られます。
そこで出会った従兄弟の竜王にセクハラされる毎日……！

この竜王という攻めは俺様な割に、片腕の金城に指摘されるまで自分の恋心もわかっていないタイプ。
ははーん、こいつぁ初恋だな？
今まで何でも自分の思い通りになって、手に入らないものなんてなかった攻めにとって唯一、一筋縄でいかないもの……すなわち恋！

攻めがおそらく1巻目2巻目では無自覚なままセクハラ三昧していたんでしょう。
だから主人公・アキラにはまったく伝わっておりません。
（まぁラストシーンでは満更でもなさそうでしたが……）

貧乏育ちだけあって、アキラ少年は可愛い顔して男前なセリフのオンパレードです。
突如金持ち学校に通うことになって戸惑うことは多々あったようですが、その辺の坊ちゃんよりもよほどいろいろ考えていて、格好いいです。

いつもどおりよかったセリフメモにしているのですが、攻めの口説き文句よりも受けの男前セリフばかりマークしています。

特に好きなのは、+αなスピンオフ、竜王とアキラのお互いの親友ポジションの金城と啓太の話で発せられたセリフ。

「まあ、いいよ。憧れが好きになるか、そのまま憧れの人のままでいるかは、まだ分からないのが俺らくらいにはちょうどいいんだよ」

『性春モラトリアム　スピンオフ　プラスアルファ　金城と啓太の場合』より

なんですかこの達観度合いは……！
普通君たち高校生のBLといったら、「憧れなのか好きなのかわかんないやー！」かーらーの、「これは恋だ！！！」という根拠のない自信溢れた回答なんじゃないんですか？
そのくらいがちょうどいいって……！

ああ、そうか。だからモラトリアムなのか……

と、今このレビューを書いていて、ハッとしました。

↑脇カプのが先に進みそうな、前途多難な二人に幸あれ！

1巻2巻も読むぞ……！

性春モラトリアム (イーデスブックス)
性春モラトリアム２ (イーデスブックス)

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お暇なときに読んでください。面白いよ！！！！！　
って作者が一番思ってるよ！！！！
（自分が面白くない作品は出したくないよ！）

明日12冊目書きます。