気温がぐっと上がると、「これで真夏はいったいどうなっちゃうんだ……」と不安になりますね。
暑すぎて、バイト先のレジで倒れそうになりました……。
『半分わるもの、半分けもの』
本日のレビューはこちら!
『半分わるもの、半分けもの』(宇奈月ポルカ)
拙作もお世話になった、イーデスブックスさんからの出版です。
「人妻」という単語をえっちな小説で見かけると、なんとなく淫靡な雰囲気が漂いませんか?
普通の単語なのに、妙に誘うような響きを持っている、不思議な言葉ですね。
こちらの話に出てくる人妻・桂人は訳アリの人間。
半獣が暮らす小さな島に拾われて、彼らに馴染んで生きていくために、獣耳と尻尾(子犬のような)を身に着けています。
努力の方向が間違っているような……?
嵐の日に出会った(拾った)悪人面のこちらも訳アリそうな男・埜津に言わせれば、「浮世離れしている」ということでしょうか。
とにかくなんでも金で解決しようとするのが悪い癖。
と言うと、ちょっと語弊があるかも。
桂人は決して、自分の思い通りにならないことを金でどうにかしようとするタイプではありません。
彼は他人に何かをしてあげたいと思ったときに、どうしていいかわからずに、結局「金なら出す」になるタイプです。
悪人面(桂人談)の割に子供に懐かれる埜津。
最初は反発する桂人ですが、埜津が真っ当な善人であることを知るにつれ、徐々に惹かれていきます。
ここが割と、寄せては返す波のようで、じわじわもだもだする感じ。
早く好きになれよ! 好きだと認めてしまえよ!
みたいな。
突然やってきた桂人の実家の関係者によって、埜津の過去が暴かれます。
離れていってしまう埜津を懸命に追いかける桂人は、それまでの「特に何もしてこなかった」彼とは違い、まさに恋は人を変えるのだなあ……。
この話は家族の物語でもあります。
実際の家族には恵まれなかった桂人が(埜津も割とそうかも)、小さな島で家族を見つけ、さらに自分で新たな家族を作っていく
彼の成長物語でもあります。
(とはいえ、君すでに二十九歳でしょーが! と思うこともあります)
こちらのお話は、kindle unlimitedの読み放題対象作品です。
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