『神子は奴隷王に繋がれる』(沙野風結子)

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レビュー

みかみ先生に教えてもらった三部作、昨日一日で読破してしまいました。

面白い作品、続きが気になる作品はやはり、一気読みしてしまいますね。
私もそんな小説が書きたいです。

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『神子は奴隷王に繋がれる』

ワダツミの皇子三部作、二作目は三男・ナギの物語です。

『神子は奴隷王に繋がれる』

神子はわかるけど、奴隷王って? 対極の概念じゃない?

元奴隷ばかりを集めた海賊船の船長・サガンは、海を漂う小舟を発見。
中には死体が入っているかと思いきや、ギリギリでまだ生きている少年が入っていた。
記憶喪失の少年・ナギを冷たく扱うサガンだったが、彼の胸の入れ墨を見た瞬間、態度を変える。
「奴隷ならば、この船に乗る資格がある」と。

読者はこのナギが、1作目『帝は獣王に降嫁する』で行方不明になった神子だとわかりますが、作中の登場人物は誰も何もわからないまま進んでいきます。
だから、ナギとサガンが懇ろになったときに窓を叩く水の鞭はちょっとしたホラー。
街中でナギがタチの悪いボンボン(サガンの元主)に絡まれたときに高波が襲ってきたりだとか。
サガンには嫌がらせをする海神様ちょっとカワイイな、とか……。

サガンとナギは上司と部下、海賊船の仲間であり想いを深めていきます。
しかし、サガンはナギが海中でも呼吸が可能であることを知り、自分とは違う存在だということに気づきます。
さらに、髪型を変えたナギを見て、その神々しさに見る目を変えていき、ナギはそのことを寂しく思います。

記憶はないけれど、ずっとこんなふうに見られ続けていたような気がする。
そして、サガンを助けるためにワダツミの国に帰還したときに、息苦しさを覚えます。

三部作すべてに共通するところですが、テーマは「自由」なのだと思います。
国での役割や責任から、逃れる術もなく生きてきたワダツミの皇族たちが、愛し愛される男と運命的に出会い、自分が今まで窮屈な思いをしていたことを知り、自由を希求する話です。

私はこの二作目が、サガンのビジュアル(死神の入れ墨とか鎖のついた首枷とか)や海賊船の仲間たち、ナギが外界で自由にのびのびしている姿がよかったので、一番好きかなあ。

注意事項としては、攻めのサガンと娼婦女性たちがナギの前でセックスするシーンがあるので、女性との絡みが地雷の方は気をつけて。

あ、海神様海神様。
生命維持の方法、あれ、なんとかならんかったんでしょうか……?

1作目では兄のシキを処刑しようとし(そしてナギを見捨てた)、2作目では帰ってきたナギを監禁した次男のキリイ。
いや、ここまでまったくもって好きになれないキャラなんですけれどもね。
その彼の物語であり、外界から切り離された世界全体を巻き込む物語が、3作目です。

ヤンデレ鳥人も出てくるよ!

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