『卵の見る夢』(結城鈴)

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令和BL小説グランプリ レビュー

本日二度目の更新でございます。

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『卵の見る夢』

BLグランプリから一冊。

『卵の見る夢』

日常系BLです。

高校時代にゲイだとバレたのがきっかけで、引きこもるようになった由宇。
家族とは不仲で、特に双子の兄弟・早希に対しては、比べられるのも嫌だし、同じ顔をしていることへの申し訳なさみたいな気持ちもある。

ある日、床屋帰りに喫茶店の店主・和彦と知り合って……。

物語の軸は二つあって、一つは和彦の元カレ。
和彦に執着していて、はっきり言って嫌い(笑)。
でも由宇は意外と強い子なので、元カレと和彦が会うときにも現場に立ち会ったり、完全に振られる格好になった元カレを思いやる心も持っています。

「(前略)オレね、いつも二番で、早希が一番だったから。だから、誰かの一番になるの初めてで。でもそれが、誰かの不幸の上に成り立つなんて、思いもしなかった。」

『卵の見る夢』本文

もう一つは、由宇と家族の関係です。
自分が異分子であるように感じていた由宇が、家を離れたからこそ家族になれたような気がして、ホッとします。

基本的にはほのぼの日常BLなのですが、エロいシーンはこの手の物語としては多めです。
受けが抱かれるときの準備とか(何とはここでは口にしませんが)。
尿道責めとか、この作風で見るとは思わなかったので、ギャップがすごい。

喫茶店が舞台、そしてタイトルからもわかるとおり、読んでいると卵料理が食べたくなります。
ホットサンドいいなあ~。
プリン食べたいな~~。

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