雪原の月影 三日月(月夜)

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レビュー

10月BL読書、ファンタジーのターン。

「雪原の月影 三日月」(月夜)

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凛々しいお姿……!

ようやく読み終わったー! でもまだ前編!
というのが読了後に真っ先に思ったことでした。

何せソフトカバー単行本のBL。しかも二段組。
どちらかに当てはまる本は読んだことがあれど、両方当てはまる本はたぶん初めて・・・・・・400ページ超えてるし。

でも、厚さに怯まずに読む価値のあるBLだと思います。
主人公・エルンストが皇太子を廃されて城から出される「朔月」は、ほとんど会話文がありません。
ただひたすらに、エルンストの思索の海に一緒にダイブする感じ。
ここを乗り切れば、エルンストとガンチェがイチャイチャしているシーンも多く描かれるので・・・・・・。

少年の姿から成長しない病を得て、種なしと診断された彼は、六十年(普通の人間と寿命が違う)過ごした王宮での最後の日々を経て、辺境地・メイセンに送られる。
書物や講義でしか知らない外の世界や貧しい人々の姿を実際に体験することで、人間らしくなっていく様が好きですね。
特に、ガンチェという生涯の伴侶に恋をしてからの彼は、生き生きと描写されています。
でも恋に溺れて何もできなくなるってわけじゃなくて、賢く弁も立つのが彼の魅力です。

大きな身体のガンチェが年下攻めなのが可愛いですね。
(タグ付けするのに「ショタ受け」と「年下攻め」が両立することに気づいて、面白みを感じた)
体液適合者という唯一無二の存在ということもあり、お互いに想い合っているのがひしひしと伝わってくる二人。
相思相愛で幸福そうに見えますが、実は寿命の差があり、ガンチェの方が先に死んでしまうのは確定事項なんですよね。
常春のような二人の恋愛を眺めつつ、もの悲しい人生のラストを想像しては、萌える私です。
そうか、私は寿命の違い萌えがある人間だったんだな・・・・・・気づくのおっそい。

タイトル、「雪原の月影」が本編ではなく、領兵長のタージェスの閑話によって明かされるのも心憎い演出。
この閑話好きですね。
どうして元は騎士であったタージェスが、辺境の領兵長になったのか不思議だったんですけど、なるほど。
彼の前の主君は国民に片思いをしていましたが、今の主・エルンストは領民たちときちんと通じ合っていてほしいです。

登場人物紹介のところにいるもう一人の登場人物がめちゃくちゃ気になりますが、前編には出てこないので、後編を読むのが楽しみですね!
(たぶん昔WEB上で最後まで読んだような気もするんですが、記憶の彼方なので誰だかまるでわからない)

恋愛だけじゃなく、貧しい領地を再生させるため、さらにはその先に待ち受けているだろうことを踏まえて行動するための内政モノが好きな方にもオススメです。

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