有翼の騎士の一途な求愛(佐竹笙)

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レビュー

いっぱい本を買ったので、これは1月までかかる予感。

「有翼の騎士の一途な求愛」(佐竹笙)

↑Amazon電子書籍ページに飛びます。

角川ルビー小説大賞出身の先生。私は初読みの作家さんでした。
近頃のルビーはファンタジーが受賞していて、私も来年、ファンタジーBLで勝負しようと思っているので、勉強がてら。
(勉強、と言いつつ結局楽しんでしまって終わるのですが)

ベルクトと呼ばれる翼を持つ種族は、騎士団を編成して、各国と契約、駐留する。
ツンツェ公国の騎士団は、国から派遣される内務官もすぐに辞めてしまうほど、質の悪いものだった。
主人公のレフは、新任内務官として、ベルクトたちの拠点に向かう・・・・・・

というところから、物語が始まります。
騎士団による手荒い歓迎によってレフはお漏らししてしまうのですが、それでも気丈にパンツ脱いで首謀者にぶん投げるあたり、もう冒頭から大好きです。
下半身裸なのに格好いいって反則でしょうこれ。

伯爵家の庶子という生まれから、親兄弟を見返してやる! というのが原動力になっているレフは、常にツンツンしています。
強がっていなければ自分自身を守れない環境で育った彼を、騎士のひとり・ゼイン(本名長すぎて覚えられない)は見初めます。

このゼインの、「気の強い奴、いや、強がっている奴が好き」という好みに深く頷きました。
そうなんですよ! 
本当は平気じゃないのに平気なフリをしたり、無理をしてしまう受けってサイコーなんですよ!
そして受けが強がっていることに、ひとりだけ気づく攻め・・・・・・サイコーですよ。
めちゃくちゃ深く頷きながら読みましたよ。
口説き文句が「俺の手乗りツバメになれよ」は笑ってしまったけど。
ベルクトの常套句なの??

ベルクトと一口に言っても、その習性は様々。
夜行性のもいれば、ヘビを食べるのもいる。
ゼインと一緒に、騎士団の構成員ひとりひとりと話をしていくレフは、そのことに気づきます。
そして譲歩したり条件を出したりと交渉していくのは、まさに有能な政治家。

最初にレフを手ひどく扱ったアトスも、話してみればそんなに悪い奴ではありませんでした。
風呂(サウナ)で羽をつくろうことで対話を試みるのは、まさしく異文化交流・・・・・・
そしてゼインがキレる。
そりゃあキレますわ。練習台にされたんだもん。

ファンタジーといえば陰謀、陰謀といえばファンタジー。
司教の悪事の証拠を探し、暴いていくのにもドキドキ。
恋愛小説のときめきと、ファンタジーのドキドキのバランスがとてもよかったです。

最後、ゼインに抱かれ飛び立つシーンが印象的でした。

クリスマス合わせで、佐竹先生がカクヨムにssをアップしてらっしゃいます。

パンツに始まりパンツに終わった感じでちょっと笑ってしまいました。

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