星見の皇子とかりそめの狐妻(魚形青)

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レビュー

勝手にひとりでモフモフKADOKAWA祭り、第二弾は平安和風×陰陽師なモフモフBLです。

「星見の皇子とかりそめの狐妻」(魚形青)

妖狐の血を引く陰陽師の行親は、鄙びた邸で普段は隠している白狐姿でいるのを、敵対する宿曜師派の二の宮に見られてしまう。咄嗟に“夕星(ゆうづつ)”と名乗りあやかしの振りをした行親に、二の宮は宮中の尊大な姿とは違う優しい顔を見せる。夜が明けるまで星について語らい、距離を縮めた二人は、その後もその邸で落ち合う約束をし…? しかし、帝の一存で暦に陰陽道が採用されることに。落胆した二の宮を慰めようと行親は夕星として邸を訪ねるが、二の宮に不意に抱き寄せられて…?

『星見の皇子とかりそめの狐妻』あらすじ

魚形青先生は、デビュー作→西洋風オメガバース、第二作→中華モフモフということで、ファンタジー設定の王道はこれで制覇!
(次は現代設定も読んでみたいな~・・・・・・と、ここで言っても意味ないとは思うけど)

↑デビュー作
↑二作目

平安時代、陰陽師でモフモフとくれば当然、狐のモフモフです。
受けの行親の姓は安倍ということで、ご先祖様はあの・・・・・・?

人間(陰陽師。これがかーなーり、毒親でイライラ)の父と狐の母(故人)の間に生まれた彼は、帝からの信頼も篤く、そのせいで疎まれています。
狐の本性は隠さなければならず、気を張っているからか、陰陽師として働く行親はツンツンしています。
その分、術を解いて自然な狐の耳と尾をさらけ出した状態は、リラックスしすぎるのかもしれません。
何せ、夜に契りを交わした狐のあやかしと、昼間宮中で顔を合わせることがあっても二の宮が気づかないくらいですからね・・・・・・。

人とあやかしは一生を添い遂げることができない。
父親は母の妖力を子どもに引き継がせるために家に迎え入れた(だけじゃないようですが)わけだし、確かに一緒にいられる時間は少ないのかもしれません。
加えて受けは攻めに対して隠し事をしていることもあって、ぐるぐる悩んでしまいます。

陰陽師は過去に一大ブームが起きたし、雅な平安の中では術を使って戦うイメージもあって、物語を動かすのに使いやすい設定だと思います。
(武士的ポジションもいなくはないけれど、やっぱり唯一無二感がかっこいい)
BLやファンタジーのスパイス程度ならば、「なんちゃって」で書き流してしまうところ。
あやかし退治! 式神! とりあえず九字切っとけ!!
(っていうのは、私が書いた話である)

↑これの話ね……


しかしこの話はよく調べて、BLの萌えに対して邪魔にならない、過不足のない程度に陰陽師や暦、攻めが傾倒する宿曜の考え方も盛り込まれていて、勉強になります。

陰陽道と宿曜師の意見の相違もありつつ、事件の解決のために協力するっていうのが少年漫画的でアツイ。
帝のため、ひいては国のために立場の違いを乗り越えていくオチがすがすがしかったです。

二の宮は傲慢っぽく見えますが、その実、ずーっと星を眺めていたい天体オタク。
あやかしいっぱいになった新居での二人で、たくさん天体や暦についての談義をするんだろうなあ・・・・・・と思いました。

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