ケモ耳

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迷子のウサギ?(52)

<<はじめから読む! <51話  さすがに重くて湊を運ぶことは不可能だし、人目を気にしつつ一気に移動しなければならないので、湊を起こした。寝ぼけ眼を擦りつつ、ふにゃりと寝ぼけた笑みを浮かべた湊の頬を優しくぺちぺちと叩いて「しっかりしろよ」と...
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迷子のウサギ?(51)

<<はじめから読む! <50話 「寝てもいいよ」  俊の言葉に、途端にとろんと目を蕩けさせた湊は、うん、と頷く間もなく、すぅ、と音もなく眠りに落ちて行った。がくり、と頭の重みで首が曲がり、下手をするとむち打ちになるぞ、と俊は自分の肩に湊の頭...
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迷子のウサギ?(50)

<<はじめから読む! <49話 「ああ、ウサオ……」 「湊」  え? と丸くなった俊の目を見つめた。 「俺の名前は、倉橋湊。まぁ、ウサオの方が呼びやすかったら、ウサオのままでもいい……けど」  本名を教えているだけで、なぜこんなにも恥ずかし...
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迷子のウサギ?(49)

<<はじめから読む! <48話  目の前で目まぐるしく動く光景に、湊は目を回した。何人もの警察官がやってきて、目の前の男を拘束する。男は抵抗しなかった。警察が彼の白衣のポケットから拳銃を取り出すと、彼らはざわめいた。  銃刀法違反の現行犯だ...
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迷子のウサギ?(48)

<<はじめから読む! <47話  さらわれた場所がどこなのか、湊には皆目見当がつかない。ただ、外の音が聞こえないことから、防音設備も完璧なのだろうと思った。安藤にレイプされて悲鳴を上げたとしても、すべて分厚い壁が吸収してしまうのだろう。  ...
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迷子のウサギ?(47)

<<はじめから読む! <46話 「……あんた、市議会議員さんがそんな物騒なもん持ってて、いいのかよ」  強がりは、しかし、声が無様に震えた。ナイフですら喧嘩に用いたことはない。所持しているだけで犯罪になるその凶器など、テレビや映画の世界でし...
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迷子のウサギ?(46)

<<はじめから読む! <45話  高校卒業後、適当にアパレル系の専門学校を卒業してから、湊はアルバイトとして転々とショップに勤める日々を送っていた。特に夢もなく、希望もなく。洋服やアクセサリー、ヘアメイクなどのファッションに興味はあったけれ...
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迷子のウサギ?(45)

<<はじめから読む! <44話  いつもの寝起きと違って、意識がすっきりとしなかった。というか、いつ眠りに落ちたのかも、ウサオにはわからなかった。  視界がはっきりしてきて、がばりとウサオは身体を起こした。途端に眩暈に襲われるが、それを堪え...
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迷子のウサギ?(44)

<<はじめから読む! <43話  はやる気持ちを抑えきれずに、そわそわしながら新幹線に乗っていた。上りの新幹線は空いている。皆、東京から地方へと帰省するので、逆に都会へと向かう自分は珍しいのだろう、と俊は思った。  家に着いたらどうしよう。...
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迷子のウサギ?(43)

<<はじめから読む! <42話  電話のコール音がする度に、俊かと思って慌てて二つ折りの携帯電話を開く。また違った、と残念に思いながらも通話ボタンを押す。 「もしもし」  かけてきたのは藤堂だった。番号ですでにわかっていたが、落胆もひとしお...
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