ミステリ

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ライト文芸

断頭台の友よ(11)

<<はじめから読む! <10話 「口に合わないかい?」 「いいや……この間参加した舞踏会の食事よりも、よほど美味いのは、知っているよ」  オズヴァルトは、女性のドレスや宝飾品の製作・販売を行う大店、マイユ商会の三男坊だ。上の二人とは母親が違...
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断頭台の友よ(10)

<<はじめから読む! <9話  食堂に行くと、オズヴァルトがテーブルについていた。目の前のスープには、手がつけられた様子はない。 「おはよう、オズ」 「クレマン!」  彼は悲壮な顔をクレマンに向けると、わずかにホッと肩から力を抜いた。すぐさ...
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断頭台の友よ(9)

<<はじめから読む! <8話  その日の朝、クレマンは雷で目を覚ましたのかと思った。  秋の雷は、稲光と轟音とともに落ち、乾燥した空気を切り裂いて火事を起こす。塔に落雷したのであれば大変だと目を覚ましたが、暗雲が立ち込めているわけでもなく、...
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断頭台の友よ(8)

<<はじめから読む! <7話  もっとも、クレマンには人々の興奮など、関係なかった。怯え、逃げ惑うだけ。仮面の子供が生きるか死ぬか、見物人たちは賭けている。暴れる男に殴りつけられれば、か細いクレマンはひとたまりもない。処刑台から転落死する処...
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断頭台の友よ(7)

<<はじめから読む! <6話  父に連れていかれたのは、横領の罪に問われた騎士の処刑であった。宝物庫の警備担当であったのをいいことに、組まされた同僚の目をかいくぐり、窃盗を働いた。横領罪を償うには、両手を切り落としたうえ、横領額の三倍を賠償...
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断頭台の友よ(6)

<<はじめから読む! <5話  クレマンが九つの年、ずっと年齢の離れた兄が死んだ。  ムッシュウ・ド・パラーゾと呼ばれ、王都の治安維持に努めるべきは兄であった。そうはいっても、クレマンが自由に生きることは許されていなかった。処刑人の家に生ま...
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断頭台の友よ(5)

<<はじめから読む! <4話  クレマンは男が絶命したことを、呼吸と心臓の音で確かめると、嫌なことはさっさと済ませるに限るとばかりに、用意していた火種をしっかりと油の染みた布を巻いた松明に移し、男の身体を焼いた。火が全身に回るまでしばし時間...
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断頭台の友よ(4)

<<はじめから読む! <3話  手足を潰したことによって、男は気を失った。歴代のムッシュウ・ド・パラーゾたちによって記された人体の構造は、クレマンの中にしっかりと定着している。どこをどう潰せば、適度な時間で刑死するのかわかっている。  車裂...
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断頭台の友よ(3)

<<はじめから読む! <2話  広場に作られた処刑台は、誰もが見やすいように吹きさらしになっている。風が強く吹く。あおられて落ちないように、気を張らなければならない。息を吸うと、また猫背になっていたことに気づき、クレマンは慌てて背伸びをして...
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断頭台の友よ(2)

<<はじめから読む! 「しかし俺みたいなケチな新聞屋の首を刎ねるなんてね、やっぱり首斬王は狂っておられやがる。街じゃあ噂んなってるぜ。旦那も聞いたことあるだろう? ここんとこ続いてる、首斬り殺人。ありゃあ悪魔に憑りつかれた王が、夜な夜な街に...
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