ライト文芸 断頭台の友よ（８１）
＜＜はじめから読む！ ＜80話 クレマンは、オズヴァルトとともに首を眺めにいった。 「生きていても醜い人間は、死に顔はより醜いもんだな」 ぽつりとオズヴァルトが言う。確かに、クレマンが自身の剣で屠ってきた者どもは、ほとんどがグロテスクな...
ミステリ
ライト文芸 ライト文芸 断頭台の友よ（８０）
＜＜はじめから読む！ ＜79話 院長だった男の死刑は、すぐに執行される。彼は貴族ではなかった。地方都市の地主の家に生まれ育ち、出稼ぎに王都にやってきて、そのまま住み着いた。だから斬首刑ではなく、絞首刑が妥当であったが、今回は事情が違った。...
ライト文芸 断頭台の友よ（７９）
＜＜はじめから読む！ ＜78話 その後、オズヴァルトも遅ればせながらも到着した。 女装姿を同僚にじろじろと見られたり、院長の凶行を知らなかった職員は困惑し、知っていたとおぼしき人間は逃げようとして混乱が生じながらも、一応の決着を見た。 ...
ライト文芸 断頭台の友よ（７８）
＜＜はじめから読む！ ＜77話 「！」 隣でぐっすり眠っていたはずのクレマンが突如起き上がったことに、院長は驚き、動きを止めた。だが、一緒に眠っていた女は声が出せないことを思い出した彼は、にたりと笑って、隠し持っていたナイフを取り出した。...
ライト文芸 断頭台の友よ（７７）
＜＜はじめから読む！ ＜76話 そして、夜の闇が周囲を包み込んだ。窓から差し込む月明かりが眩しい。今夜は満月である。犯罪には向かない日だ。昨日だって明るかっただろうに、院長は少女を貪ることを我慢できなかったのだろうか。 こちらとしては好...
ライト文芸 断頭台の友よ（７６）
＜＜はじめから読む！ ＜75話 クリスティンの部屋でもよかったのだが、孤児たちにはよほどのことがなければ、個室は与えられていない。院長の狙いは二人の肉体である。他の子供と一緒では、襲うに襲えない。そのため、案内されたのは客間であった。とは...
ライト文芸 断頭台の友よ（７５）
＜＜はじめから読む！ ＜74話 西の孤児院で起きた殺人事件の犯人は、状況証拠から院長で間違いない。だが、それだけで逮捕ができるかというと、問題があった。 院長によって少女が斡旋された店の客は、ほとんどが貴族であろう。幼い少女を娼婦に仕立...
ライト文芸 断頭台の友よ（７４）
＜＜はじめから読む！ ＜73話 「女の子は、夜に院長先生の部屋に呼ばれるの」 「それは、全員？」 彼女は首を横に振った。選抜された少女はおそらく、生前のアリスと同じく、可愛らしい子供だったのだろう。一人ずつ順番に呼ばれる。クリスティンは呼...
ライト文芸 断頭台の友よ（７３）
＜＜はじめから読む！ ＜72話 オズヴァルトがとった宿の部屋に入り、念のためにカーテンを閉めた。それからクレマンは、ようやく声を発する。 「クリスティン！」 「ああ、やっぱり、おじさんだったのね」 人目がないことに安心したのか、クリステ...
ライト文芸 断頭台の友よ（７２）
＜＜はじめから読む！ ＜71話 あの子は死体の第一発見者だ。些細なことから、事件が発覚することを恐れている？ クレマンはオズヴァルトに目配せをした。彼はこちらの意図を汲んで、立ち上がる。 「それではこれで」 「えっ」 こちらは別に、取...