片思い

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ライト文芸

函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第二話⑤

<<はじめから読む!<第二話④ あのとき、と彼は語った。「ほら、俺たちの初対面のときだよ」と。「ああ、あれ」 思い出すと、私の方が顔から火が出そうになる。 同じ高校であっても、調理科と普通科では、基本的に一緒になることはない。特に私は、部活...
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函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第二話④

<<はじめから読む!<第二話③ 定時の十分過ぎに、カフェの前に現れた陽太の頬は、わずかに赤い。 そんなに一生懸命に仕事を終わらせて、走って来なくてもよかったのに。私がそういうと、「いや、そうじゃなくて……や、それもあるけど」と、ごにょごにょ...
ライト文芸

函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第二話③

<<はじめから読む!<第二話② 会場の建物前で待ち合わせたマスターは、なぜかげっそりしていた。「どうしたんですか、マスター。昨日そんなに忙しかったんです?」 言っても、隠れ家的なバーである。若い子たちが行くような、ガンガン音楽が鳴り響き、踊...
ライト文芸

函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第二話②

<<はじめから読む!<第二話① 「おしゃべり女って、やっぱり男の人にとってはウザいんですかねぇ」 カフェの営業は終わり、後片づけや明日の準備もある程度終わった。茉優たちには「気晴らしに遊びに行こうよ」と言われたが、気分が乗らないからと断り、...
ライト文芸

函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第二話①

<<はじめから読む!<第一話⑨第二話 夫婦の愛はトマトで確かめて バー「月虹」を間借りしたカフェ「真昼の月」をオープンしてから、二ヶ月ほどが経過した、五月の末。 北海道は、今が一番いい季節だと思う。東京はもう、この時期には暑さが増し、梅雨の...
ライト文芸

函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第一話⑨

<<はじめから読む!<第一話⑧ ようやく春めいた空気が感じられるようになってきた。雪はすっかり溶けて、太陽の光は柔らかい。 看板を出しに外に出ると、途端に風が強く吹く。そうなるとさすがに寒くて、捲った袖から覗く腕を摩った。「雨宮さん!」「陽...
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函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第一話⑧

<<はじめから読む!<第一話⑦ 水曜日、バー「月虹」の開店前に集合した。メンバーは三人、私と陽太と、それからマスターの鉄平さんだ。 彼は「何度来たって駄目なもんは駄目だぞ」とでも言いたそうな無表情のままだった。兄の隣で、陽太はハラハラと、「...
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函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第一話⑦

<<はじめから読む!<第一話⑥「うーん……」 タブレットでレシピサイトを漁ること数時間、このサイトもそれらしきレシピはヒットしなかった。 そもそもクリームシチューって、誰が作ってもそんなに変わり映えのしないものだ。特に市販のルーを使う場合は...
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函館駅前おしゃべりカフェへようこそ 第一話⑥

<<はじめから読む!<第一話⑤ 水曜日。 私は毎日がお休みだが、今日は不動産屋の陽太もお休みの日だ。「いらっしゃい」 出迎えた私を上から下までザっと見た彼の頬は、ほんの少し赤かった。今日は暖かい日だと思ったけれど、車をずいぶんと離れたところ...
ライト文芸

函館駅前おしゃべりランチへようこそ 第一話⑤

<<はじめから読む!<第一話④ 指定されたのが夜の九時だったので、驚いた。夕食時とも言いづらい。七時から始まった飲み会が一段落して、帰るにはまだ早い。さあこれから二次会でも、という時間帯だ。 えぇ、と難色を示す私を、陽太は説得にかかった。彼...
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