眼鏡受け

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右手じゃ足りない(12)

<<1話から読む! <11話  チャンスはバーベキュー大会当日だ。  三年の祥郎と比べ、一年生の飛鳥は多くのテストやレポートに忙殺されていた。そのため、寮内で出くわすことは少なかった。  彼は夜遅くまで図書館で勉強をしたり、帰ってきても自室...
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右手じゃ足りない(9)

<<1話から読む! <8話  昭島は宣言通り、飛鳥にちょっかいを出し始めた。  飛鳥は基本的にインドア派で、大学に通う以外は、ほとんど寮内で過ごしている。普段寮で見かけることの少ない昭島が、飛鳥と会話をするためだけに、毎晩帰寮しているのだっ...
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右手じゃ足りない(8)

<<1話から読む! <7話 「先輩、ここいいですか?」  明るい声音に、祥郎は味噌汁を飲んでいた手を止めて、顔を上げた。「もちろん」と、飛鳥に着席を促した。 「ありがとうございます」  いただきます、と両手をきちんと合わせてから、飛鳥は煮物...
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右手じゃ足りない(6)

<<1話から読む! <5話  お任せします、という言葉どおりに、祥郎は新宿の街を連れ回した。  美容院の予約から、飛鳥に似合いそうなブランドの情報収集、昼に何を食べるかというところまで、全部祥郎が決めた。 「こんなに食べられるかな……」  ...
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右手じゃ足りない(5)

<<1話を読む! <<4話  自分の手や顔を拭いて、飛鳥の下肢も丁寧に清めた後、祥郎の身を焼いたのは、罪悪感だった。 (やばいって……どう考えても、やりすぎだって……)  熱が冷め、自分の行動をよく振り返れば、勃起不良の改善を手伝う、という...
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右手じゃ足りない(3)

<<1話から読む! <<2話  ぐすぐすと鼻を鳴らして泣く飛鳥は、また新たな顔で、祥郎の目を惹きつける。  人見知りで大人しく、根暗な青年ではない。先輩に食ってかかる生意気な青年でもない。 「ほら。まずはズボン穿こう。な?」  言葉だけでは...
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右手じゃ足りない(2)

<<1話から読む!  手元に水着の女性の写真集を置いておくことに、飛鳥が耐えきれなくなるのではないか。  祥郎は期待して、三日待った。  しかし、飛鳥は祥郎の顔を見るなり、逃げ出してしまった。背中を丸め、挨拶のひとつもない。文字通り脱兎のご...
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右手じゃ足りない(1)

「汚らわしい!」  坂城さかき祥郎よしろうが、時任ときとう飛鳥あすかの声をきちんと聞いたのは、それが初めてだった。  勿論、存在は認識していた。飛鳥だけではなく、上京したての一年生たちを一人一人気に留めておくのは、この「北洋寮」の寮長として...
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