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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(7)

<<はじめから読む! <6話  目を覚ましたベリルは、一瞬自分のいる場所を見失った。  新たに人生を仕切り直したクーリエ子爵の代官屋敷も立派なものだと思ったが、あの日割り当てられていた客間よりも、後宮の一室は広い。  昨夜は遅くに辿り着いた...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(6)

<<はじめから読む! <5話 「陛下。それは……」  時に理性は、本能に負ける。人でさえ、そうだ。まして竜は、自分の求めるものへ、躊躇なく手を伸ばす。  青年の頬は柔らかかった。突然触れられて驚き固まったが、見上げる目はやはり、濁りひとつな...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(5)

<<はじめから読む! <4話 「シルヴェステルだ。当代の竜王を務めている」  王、という言葉の持つ意味を理解している青年は、ハッとして慌てる。ベッドから起き上がり、跪こうとするのを、シルヴェステルは手で制止した。 「楽にしていてくれ」 「…...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(4)

<<はじめから読む! <3話  再び説明にやってきた医師の顔は、真っ青であった。これから処刑でもされる罪人のような表情に、何か予期せぬ事態が起きたことを悟る。叱責する口調になってしまいそうなシルヴェステルを制し、代わりにカミーユが、医師に問...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(3)

<<はじめから読む! <2話  突然、竜の姿で来訪したシルヴェステルを、クーリエ子爵は驚きつつも出迎えた。恭しく対応しようとした子爵を、人型に戻り制すると、彼はシルヴェステルの腕に抱かれて意識を失ったままの青年にすぐに気づき、屋敷の中へとす...
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孤独な竜はとこしえの緑に守られる(2)

<1話  先代の頃から、複数回に渡って調査団が派遣されている古代遺跡が、国の東端にある。高層の塔を伴う建築物の跡が複数確認されており、明らかに現在よりも高度な手法で建てられているというのが、専門家の見解であった。  その技術があれば、このセ...
孤独な竜はとこしえの緑に守られる

孤独な竜はとこしえの緑に守られる(1)

馬車の小窓から望む、一面に広がる小麦畑は、金色に波打っている。  旅を始めたばかりの頃は、国の食を支える広大な光景に感嘆していたが、もう一週間も似たり寄ったりの風景が続けば、さすがに飽き飽きしてくる。  シルヴェステルは、自身の目と同じ色の...
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