短編小説 魔女の爪は赤い 「なぁ。その赤い口紅、やめない?」 浩司こうじの言葉に、私はメイクの手を止めた。今まさに繰り出していたのは、広義の「赤」リップだ。この秋冬の流行であるテラコッタに近い色味は、いくつものブランドをはしごして手に入れた。私に似合う色を吟味して... 2020.10.31 短編小説