短編小説 海を泳ぐ月 廊下側の後ろから二番目の席は、ほぼ対角線上にある、窓際の一番前にいる彼を観察しやすくて、私のお気に入りの席だ。 「森もりー。森海かいー。ここの訳」 その後三回、先生は彼の名前を呼んだ。ようやく自分があてられていることに気がついた森くんは、... 2020.11.06 短編小説青春