女子中学生

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短編小説

ヘミオラのウサギ

机の天板を雑巾で拭くと、ガタゴトと音を立てて、ぐらつくものがある。授業中にノートを取っているときに、気にならないものだろうか。  確かこの席は、学年一位の内藤ないとうくんが座っている。弘法筆を選ばず、というやつなのかもしれない。秀才は、どん...
短編小説

JCの半分は妄想でできている

中学生になって、初めての授業参観日だった。来なくていいよ。朝出かけるときに、寝ぼけ眼のおいちゃんにはそう言ったけれど、来てくれたのは嬉しかった。ママは仕事が忙しくて、なかなか来られなかったから。  たとえ襟のゆるいTシャツにジーパンなんてい...
短編小説

モザイクタイルの指先

へっくち、と亜里沙ありさはくしゃみをした。思わず赤面して、両手で口から鼻までを隠した。手袋の毛糸がチクチクする。  ミトン型の手袋は、中学二年生にしては幼いデザインだ。じっと掌を見つめていると、次第に子供でしかない自分に腹が立ってくる。  ...
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