短編小説 耳たぶの献身 盆の季節、田舎の居酒屋は繁盛している。「しゃーせー!」と、若いアルバイト店員の威勢のいい声は、半ばやけくそに聞こえた。 広い座敷を一間借り切っての高校の同窓会は、年に一、二回開催されているが、私が出席するのは、久しぶりのことだった。 「芙... 2023.10.20 短編小説青春
レビュー 君のことが好きで言えない①(みかみふみ) マンガも好きなので、たまにはコミックスのレビューを。 「君のことが好きで言えない。(1)」(みかみふみ) ↑Amazonに飛びます。 主人公の上総は、幼なじみの歩のことが好き。でもそれは、決して誰にも知られてはいけない秘密。なぜならば、この... 2021.10.02 レビュー商業小説・漫画
短編小説 海を泳ぐ月 廊下側の後ろから二番目の席は、ほぼ対角線上にある、窓際の一番前にいる彼を観察しやすくて、私のお気に入りの席だ。 「森もりー。森海かいー。ここの訳」 その後三回、先生は彼の名前を呼んだ。ようやく自分があてられていることに気がついた森くんは、... 2020.11.06 短編小説青春