平安

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ライト文芸

星読人とあらがう姫君(序)

誰かが打ち捨てていった毬を、少女の小さな手が拾った。ひとつ、ふたつと地面についた。楽しくもなんともないのに、いつまでもついていた。  耳に聞こえてくるのは、蝉しぐれ。そして夏の悲しい断末魔に重なるのは、坊主たちの大音声だいおんじょう。  少...
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