ライト文芸 星読人とあらがう姫君(序) 誰かが打ち捨てていった毬を、少女の小さな手が拾った。ひとつ、ふたつと地面についた。楽しくもなんともないのに、いつまでもついていた。 耳に聞こえてくるのは、蝉しぐれ。そして夏の悲しい断末魔に重なるのは、坊主たちの大音声だいおんじょう。 少女は... 2020.08.08 ライト文芸星読人とあらがう姫君長編小説