『エサを与えないでください（高校生BL短編集）』（日野カルネ）

8月も上旬を過ぎてしまいました。

全然イベント作品が読めていないことに焦りを覚えています。
期間中に読めなかったらごめんなさい。
9月になっても読み続けるので許してほしい……。

『エサを与えないでください』

今日はBLグランプリ参加作品です。

『エサを与えないでください（高校生BL短編集）』

副題通りの、高校生が主人公の短編9本が入ったBL短編集です。

表紙の猫耳男子が嫌そうな顔をしていた可愛いですね～。

BL小説を読み始めた20年以上前は、まだ「少年愛」という言葉の名残があった時代。
BLといえば学生！　BLといえば学園モノ！
ということで、高校生BLが主流だった記憶があります。

しかし時が流れて萌えは多種多様、世の流れもあってか、高校生BLは商業では縮小傾向にあるのかな、と感じています。

高校生ってキラキラしているなあ、というのがこの小説を読んでの印象でした。
学校行って勉強して、部活して遊んで、家に帰る。
平日はこのルーティンで過ぎていくわけです。
もちろん、家に帰ればだいたいの家には親がいます。
一人暮らしだから恋人連れ込んでやりたい放題！　というわけにはいきません。
高校生の凝縮されたワクワク感は、不自由さの中の最大限の自由が由来なのかもしれません。

ほのぼのorコメディが多めの印象ですが、ちょっぴり切ないのが混じっています。
（浮気性攻めが大後悔する『間違いなく、間違いだった。』と、唯一の女子視点『兄と私の好きなひと』）
ラブコメの方が私は好きな作者さんだな、と思いました。
一作目の『TRUSTED』ラストの『After TRUSTED』が好きです。
右ストレート！

どこかに忘れてきた青春を読書で取り戻したい方にオススメ。

Amazon kindle unlimited対象です。

日野カルネさんのtwitterはこちら。