溺愛鷹公爵と愛され猫(椿ゆず)

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レビュー

ひとりで勝手に角川モフモフ祭り、ようやく三冊目です。

「溺愛鷹公爵と愛され猫」(椿ゆず)

ネコ科獣人のルカは不吉な虹色の瞳を持つため孤独に生き、居場所を与えてくれたタイガー公爵の役に立ちたいと願っていた。ある時、放蕩者と噂のタカ獣人の公爵・リアムの内偵を命じられ、使用人として懐に入り込む。しかしルカの瞳を美しいと賞賛し、「可愛い子猫」と呼ぶリアムに戸惑いを隠せない。そんな中、リアムが兄を亡くした上に片翼を傷めて、飛べないことを知る。朗らかなリアムの優しさが挫折を乗り越えて得たものだと知り惹かれるが、彼を裏切っていることに苦しみ…?

『溺愛鷹公爵と愛され猫』あらすじ

西洋風×モフモフです。
角川モフモフまつりの中では、唯一攻めもモフモフ。
(鷹はモフモフなのか・・・・・・モフモフ!)
(猛禽類にしては甘い顔立ちをしている攻めである)

椿ゆず先生の二作目・・・・・・?
いや、一冊目との間に「みなと商事コインランドリー」の小説版が二冊出ているので、実質四作目になるのかな。

↑デビュー作のレビューはこちら

まずはタイトルに偽りなし!
不吉な目を持つということで捨てられ、拾われた先でも不遇なネコ獣人のルカ。
パーティー会場で失態を演じたルカとの初対面から、タイトルの鷹公爵こと、リアム・ホークスは彼のことを「子猫」と呼びます。
子猫ちゃん呼ばわりが似合う=軽薄な男。
ルカはこの公爵の弱みを握るように、タイガー公爵(悪役らしい悪役)に命令され、リアムの城へ向かいます。

ネコ科獣人たちの間では、ルカの虹色に輝く目は忌み嫌われていますが、リアムの城で働いているのは、そのほとんどが鳥類の獣人たち。
彼らの間では、虹の目は何の意味もない様子で、新人のルカを優しく朗らかに受け入れてくれます。
これはやはり、主人の人徳ですね。
全員を平等に愛さなければならない、というところから軽薄で軟派な公爵を装っていますが、誠実な彼を、使用人たちは慕っています。
ルカも惹かれずにはいられず、自分を拾ってくれた公爵の命令も裏切るわけにはいかないと、罪悪感に苦しめられます。
うーん、葛藤こそが物語ですね!

生い立ちから、ルカは自分自身を肯定できない人間です。
辛い目に遭っているときは空を飛ぶ空想をしたりして、自分を慰めているような子でした。
その彼が、リアムへの恋心を胸に、あれだけ裏切れないと恐れていたタイガー公爵に直談判をするに至る勇気。
幽閉されても、どうにかしようと奮闘する機転。
何よりも、「自分は無価値である」という思い込みを捨て、「自分の価値は自分で決める」と言葉にしたシーン、最高でした。
これがBLじゃなかったら、帯にはこのセリフを選ぶべきだと思う。
ただの「愛され」ではなく、愛する人のために行動できる受けは、大好きです。

ところで「攻めはロイヤルにしろ」というお達しを某先生から受けていて、自分でもなるべく実践! と思っているのですが、攻めをロイヤル(王族、貴族)にすると読者受けがいいという以外にもうひとつ、個人的にいいところがあると最近気づいて。

そう、主従関係が書けるんですね!(にっこり)
私はポンポン言い合う主従が大好物なので、それを楽しみに書くべきだな!
この話の主従、リアムと執事・セバスチャン(ネコ獣人)の場合は、ふらふらどっか行きそうなお坊ちゃんの手綱を取っている・・・・・・と思いきや振り回されてもいる執事、という感じで面白かったです。

(攻めがホークスで敵役がタイガーだから、「日本シリーズか・・・・・・」と思ったのは内緒)

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