ライト文芸 高嶺のガワオタ(13) <<はじめから読む! <12話 国立西洋美術館だとか、新国立美術館だとか、そういうメジャーな場所を外してのデートには、限界があった。 飛天はスマートフォンを手にしたまま、深い溜息をつく。 個人経営の小さな美術館やギャラリーは、頻繁に展... 2020.09.20 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(12) <<はじめから読む! <11話 小さな美術館だった。自分で選んでおいてなんだが、飛天は特に芸術に興味があるわけではない。静物画や人物画は、上手い下手くらいの区別はつく。だが、この美術館に飾ってある絵のほとんどは、抽象画だ。 謎の図形がラ... 2020.09.19 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(11) <<はじめから読む! <10話 スマホ片手に悩みに悩んだ結果、飛天が初デートの場所に選んだのは、美術館であった。それも、国内外の超大作を公開し、行列するような特別展示中の場所ではない。 個人経営の、自分の家にあったコレクションをひっそり... 2020.09.19 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(10) <<はじめから読む! <9話 スマートフォンの中に、新しい連絡先が増えるのは、久しぶりのことだった。 ソファの上で電話帳を眺めていると、自然と唇が緩んできてしまう。 「お兄ちゃん、キモイよ」 「失礼な」 言いながら顔を上げると、水魚が... 2020.09.19 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(9) <<はじめから読む! <8話 「ごめん。俺が……いや、俺たちが気づいて止めるべきだったのに、できなかった」 「落ち込まないでください。今日はスタッフさん、いつもより少なかったでしょう? 目が行き届かない部分もあります。それに」 肩を落とし... 2020.09.18 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(8) <<はじめから読む! <7話 運転手付きの車に乗せられたことから、薄々わかっていたが、相手はどこかいいところのお嬢様らしい。連れてこられたのは、今の飛天には場違いとしか思えない、ホテルのラウンジだった。 尻の沈み具合だけでわかる、高級な... 2020.09.18 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(7) <<はじめから読む! <6話 臨時雇いのピンチヒッターだからか、給料は手渡しだった。汗で蒸れたスーツを脱いで、タンクトップ一枚でいるところに、次郎の上司が現れて、封筒を手渡していった。 「本当に助かりました。これ、そんなに多くはないんだけ... 2020.09.18 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(6) <<はじめから読む! <5話 なんだ? と目を凝らせば、どうやら言い合いをしているのは男女だった。服装が釣り合わないので、一緒に来たわけではなさそうだ。 いかにも「オタクでござい」と主張している服の男が一方的に怒鳴り散らし、清楚な花柄の... 2020.09.17 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(5) <<はじめから読む! <4話 頭を隠してしまえば、視界はとても狭かった。 「今日はイベントが分散してるから、いつもより少ないと思うよ」 などと次郎は言っていたが、飛天の目に入るのは、人、人、人の群れである。子供たちの歓声を受けて、飛天は... 2020.09.17 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ
ライト文芸 高嶺のガワオタ(4) <<はじめから読む! <3話 何も知らされないまま迎えた、土曜日の早朝。 飛天はテントの中で、後悔していた。汗をかくから着替えを用意しろ、と言われたので、どんな激しい肉体労働なんだと思っていた。 しかし、蓋を開けてみれば、肉体よりもむ... 2020.09.17 ライト文芸長編小説高嶺のガワオタ