ライト文芸

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ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【34】

<<<はじめから読む!<<【33】 店には、二日続けて客がやってきた。日がな一日店を開けていても客が来ることはほとんどないのだから、これは快挙である。糸なんて、そんなに大量に買うものでもない。手芸趣味の人であっても、頻繁に買い替えることがな...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【33】

<<<はじめから読む!<【32】第四話 きょうだいあい  夏休みになって、僕は糸屋「えん」に入り浸っていた。 父は仕事に行くが、専業主婦の母は、家にいる。学校がないと、ずっと顔を合わせることになり、気まずい。かといって、自分の部屋に引きこも...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【32】

<<<はじめから読む!<<3話のはじめから<【31】 結局その後、大騒ぎをしていた僕たちのところに、篤久の母が血相を変えてやってきた。 何度言っても繰り返し巻いた糸がすべての指からなくなり、「母さん」と弱々しい声で呼んだ息子のことを、彼女は...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【31】

<<<はじめから読む!<<3話のはじめから<【30】 一緒に行く、と言ってくれた大輔の予定に合わせた、木曜日。肉のフジワラは木曜が定休だった。店まで行くと、「よぉ」と、すぐに彼は出てきた。「渚も行くって聞かなかったけど、あいつはガッコがある...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【30】

<<<はじめから読む!<<3話のはじめから<【29】 引き返してきた僕のことを、糸子はちらりと見上げた。いつもと違う。そう思ったのは、彼女がずっとこちらを見据えているからだ。普段はすぐに目を逸らすのに。 微笑みを絶やさない彼女は、人差し指を...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【29】

<<<はじめから読む!<<3話のはじめから<【28】 大輔と渚は、ずいぶん先に行ってしまっていた。慌てて追いかけていく。 方角を誤らないのは、大輔の「なーぎさー」という、なんとも情けない悲鳴のおかげだった。彼の馬鹿でかい声に感謝したのは、初...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【28】

<<<はじめから読む!<<3話のはじめから<【27】 いつだってこの入り口に立つときは緊張するのだが、今日はひとしおだった。なにせ、ひとりじゃない。 僕の隣でワクワクを隠せていない大輔を見上げて、こっそりと息をつく。 コロッケ一個とでは、僕...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【27】

<<<はじめから読む!<<3話のはじめから<【26】 荷物を発送して、さらに気温が上がった昼下がりの道を歩く。 足取りが重いのは、暑さのせいだけじゃない。 家に帰りたくない。母親と再び顔を合わせるのが怖い。またいつもの、陰気な顔をして溜息ば...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【26】

<<<はじめから読む!<【25】 土曜日の昼下がり、僕は自室でぼんやりと過ごしていた。宿題なんてすぐに終わってしまって、ベッドに寝転んでいた。 暇な時間は久しぶりだった。何をして過ごしていたのかと考えれば、胸が痛む。美空と会うために病院に通...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【25】

<<はじめから読む!<【24】第三話 黒い糸 七月も半ばになり、あと十日ほどで終業式。梅雨がようやく明け、まぶしい太陽にさらされる季節だが、僕の心には、まだどんよりと重い雲がのしかかったままだ。 帰りのホームルームが終わり、掃除当番でもない...
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