ライト文芸

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ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【50】

<<はじめから読む! <【49】 エピローグ  その日を境に、僕のスマートフォンは、姉からの着信を告げることがなくなった。頻繁にやりとりをする友人は学校にはいないから、大輔や渚からの着信があるくらいのもので、静かな毎日を送ることになった。 ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【49】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【48】  一日中気を張っていたせいで、今日は食事がほとんど喉を通らなかった。昨日の今日なので、両親は僕のことを心配していた。  もともと、高校生男子にしては食が進まない方であるということは自...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【48】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【47】  翌日の午前中、親と交渉して休みをもぎ取ってきた大輔と合流して、糸屋へと向かった。嗅ぎつけたのか、大輔から聞いたのか、渚も一緒である。  気分のいい話ではない。大輔は僕の隠し撮り写真...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【47】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【46】  思い出した。すべて、思い出してしまった。  姉が死ぬ前日、つまり卒業式の日の夜の出来事は、僕の中では完全に黒歴史。思い出したくないトラウマになっていたのだ。  その諸悪の根源である...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【46】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【45】  身体が重い。高校受験に卒業式、疲労が蓄積した結果か。体がバキバキで、寝返りを打とうとしたら、動けなかった。  なんで?  それに、なんだか揺れている気がする。すわ地震かと、僕は一気...
ライト文芸

ごえんのお返しでございます【45】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【44】 「姉さん、なんか今日、嬉しそうだね」  自分のイベントでもないのに。  僕の溜息交じりの問いかけに、姉は、「うふふふふ」という笑い声を噛み殺す気がない様子で、にやにやしながら頷いた。...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【44】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから <【43】  大輔と渚に、一緒に帰宅した。家にいた母は、「おかえり」と同時に、目を丸くした。  僕が外出してからも、度々思い出しては泣いたのだろう痕跡が、ありありと残っている。ふたりをもてなそう...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【43】

<<<はじめから読む! <<5話のはじめから読む <【42】  呼吸が整ったところで、僕は母に、「もう大丈夫だから」と言い残して、大輔のところへ行くと告げた。  行先を言うなんて、学校で指導されたときには、小学生みたいだと思った。けれど、こ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【42】

<<<はじめから読む! <【41】  予定通り、一日で退院した。母が迎えに来てくれて、僕はスマートフォンを彼女に渡す。いっそのこと壊してしまえれば、と思ったが、自分の金で買ったものではないから、気が引けた。  家に着いてからも、あれこれと世...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【41】

<<<はじめから読む! <【40】 第五話 切っては紡ぎ、紡いでは切り  意識をなくした僕は、病院に運ばれた。  目が覚めたとき、見慣れない天井なのに、嗅ぎ慣れた匂いがしたのは、毎月姉の代わりに通っている病院だったからだ。 「紡!」  目の...
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