ライト文芸

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ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【40】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【39】  遠藤の事件は、学校でも問題として取り上げられた。  夏休み中にも関わらず、緊急の全校集会を開き、「出かけるときはどこに誰と行き、何時に帰宅するか必ず告げること」という、小学生にもイ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【39】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【38】  一週間ぶりの店は、相変わらずだった。埃っぽくなったりもないので、僕の存在意義がいよいよ危うい。徹底して掃除をしてやろう、と箒を手に取る。  文化祭の準備で学校に行く以外にも、大輔に...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【38】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【37】  もうちょっといけば暴力、というレベルの八つ当たりからどうにか逃げだし、僕は教室を出た。  遠藤は、まだ戻ってきていなかった。本当に先生に捕まっている可能性はある。何せ彼女は、断れな...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【37】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【36】  我が高校の文化祭は、九月が始まってすぐ開催される。始業式が一日、文化祭はその週の土日。したがって、夏休みも返上して準備をしなければならないという、少々面倒な学校であった。  もちろ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【36】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【35】  今日は図書館での読書に熱中しすぎて、夕方になってしまった。糸屋に寄る時間もなく、すぐ夕飯だ。まっすぐ帰宅することにして、夕暮れの道を歩いていた。  太陽は、季節によって印象に残る時...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【35】

<<<はじめから読む! <<4話のはじめから <【34】  糸屋からの帰り道に、たまたま肉のフジワラの前を通りかかると、大輔がひらひらと手を振ってきた。傍らには渚の姿もある。糸を買って帰った彼女のことを思い出して、僕は会釈をして通り過ぎよう...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【34】

<<<はじめから読む! <<【33】  店には、二日続けて客がやってきた。日がな一日店を開けていても客が来ることはほとんどないのだから、これは快挙である。糸なんて、そんなに大量に買うものでもない。手芸趣味の人であっても、頻繁に買い替えること...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【33】

<<<はじめから読む! <【32】 第四話 きょうだいあい   夏休みになって、僕は糸屋「えん」に入り浸っていた。  父は仕事に行くが、専業主婦の母は、家にいる。学校がないと、ずっと顔を合わせることになり、気まずい。かといって、自分の部屋に...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【32】

<<<はじめから読む! <<3話のはじめから <【31】  結局その後、大騒ぎをしていた僕たちのところに、篤久の母が血相を変えてやってきた。  何度言っても繰り返し巻いた糸がすべての指からなくなり、「母さん」と弱々しい声で呼んだ息子のことを...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【31】

<<<はじめから読む! <<3話のはじめから <【30】  一緒に行く、と言ってくれた大輔の予定に合わせた、木曜日。肉のフジワラは木曜が定休だった。店まで行くと、「よぉ」と、すぐに彼は出てきた。 「渚も行くって聞かなかったけど、あいつはガッ...
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