ライト文芸

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ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【20】

<<<はじめから読む! <<2話のはじめから読む <【19】  病院へ行こうとした僕のもとに、着信があった。相手を見て、バスに乗る前でよかったと思う。  電話に出なかったら、機嫌を損なうことになる。そうなれば、今度電話をくれるのは、いつにな...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【19】

<<<はじめから読む! <<2話のはじめから読む! <【18】 「ねぇ、ちょっと」  名前すら呼ばないあたり、不機嫌さが丸出しだ。自分の機嫌は自分で取れって、昨今よく言われているが、実践する気は皆無だ。  気分が悪いのは全部、誰かのせい、僕...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【18】

<<<はじめから読む! <<2話のはじめから <【17】  とうとう、見つかってしまった。 「あれ、紡くん?」  総合玄関から入って西棟へ向かう途中、冴木医師に声をかけられた瞬間、足が竦んだ。 「今日はどうしたの?」  医者だから、なのか、...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【17】

<<<はじめから読む! <<2話のはじめから読む! <【16】  美希たちは、相変わらず教室の中心になっていた。  今は、終業式前日の球技大会の話で盛り上がっている。誰がどれに出れば活躍できそうか、あいつは運動音痴だから足手まといだとか、当...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【16】

<<<はじめから読む! <<2話のはじめから読む! <【15】  バスに揺られ、病院に着く。今日はもちろん、診察日ではない。  病院という場所は、基本的には人を拒絶する場所だと思う。病人を受け入れるが、あたたかさはない。白くて、冷たい。健常...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【15】

<<<はじめから読む! <<2話のはじめから読む! <【14】  放課後、部活も何もしていない僕は、まっすぐ家に帰るのが常だが、今日は違った。  商店街と住宅地の狭間、古民家に擬態した、ニッチな商材を扱う店に向かう。  途中で肉屋の店主の息...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【14】

<<<はじめから読む! <<2話から読む! <【13】  次の日、僕はいつもよりも早い時間に家を出た。相変わらず、「行ってきます」に応じる声はなかった。ご飯は用意してあるけれど、家族らしい会話はない。朝は特に、父親は出勤準備に忙しい。  そ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【13】

<<はじめから読む! <【12】  診察室を出て、支払いを済ませる。それからまっすぐに篤久の病室を目指そうとしたところで、ふと、見舞いの品のひとつも持ってきていないことに気がついた。  いかにも自分の(姉の)診察の「ついで」感が出てしまって...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【12】

<<はじめから読む! <【11】 第二話 紅薔薇、白百合  曇天の梅雨空は、低く感じる。頭のすぐ上に、分厚い雲が重くのしかかってきて、あまり好きではなかった。  今にも雨が降りそうな窓の外を、ぼんやりと眺めながら、先日の古典の授業のことを思...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【11】

<<はじめから読む! <【10】  篤久はそのまま入院した。母の方は、数日ですぐに出てこられたが、彼はいつになったら退院できることか、わからない。身体も心もボロボロになった親友を、僕は直視できなかった。  美希との縁がつながった段階で、やめ...
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