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みんな愛してるから

夏織(3)

<<はじめから読む! <2話  職場から離れた店を、夏織は指定した。同時に庁舎を出ては意味がないので、文也には悪いが時間を潰してもらって、夏織は先に出た。  バスに乗って、十分少々。待ち合わせの喫茶店に、先に入店する。  昼はいいが、夜はや...
みんな愛してるから

夏織(2)

<1話  四月の頭まで、転入ラッシュによる市民課の繁忙期は続いた。文也は福祉課所属で、五階で業務に励んでいるので、平日はスマートフォンでのメッセージのやり取りだけが、二人の恋人同士の触れあいであった。  本当は、昼休みに食堂で話すことができ...
みんな愛してるから

夏織(1)

「結婚を前提に、お付き合いしてください」  深々と頭を下げた男のつむじを、夏織かおりはぼんやりと眺めた。あ、二つある。なんて、どうしようもないことに気がつくのは、余裕があるからというよりは、現実味が薄いからだった。  夕暮れのビーチや、おし...
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エピローグ それでもやっぱりやめられない

<<はじめから読む! <12-4話  神崎! と後ろから声をかけられて、靖男は振り返った。そこにはやや疲れたような佇まいだったが、満面の笑みで手を振る千尋がいて、靖男も片手を挙げる。 「実験終わったのか?」 「なんとかね。ほんと、今回ばかり...
BL

12 もう一度、最初から(4)

<<はじめから読む! <12-3話  はあぁ、と満足げに溜息をついてそのまま目を閉じていた靖男の意識を引き戻したのは、きゅるるるる、という間抜けな音だった。身体を起こすと、千尋はそっぽを向いている。その耳が真っ赤になっていて、千尋の腹の虫だ...
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保護中: 12 もう一度、最初から(3)

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保護中: 12 もう一度、最初から(2)

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12 もう一度、最初から(1)

<<はじめから読む! <11-2話  十一月になり、にわかに肌寒くなった。目の前に現れた千尋の首元にはマフラーがぐるぐると巻かれていて、噴き出した。 「早くない? マフラーは」 「早くない。寒いの嫌いなんだよ」  それは肉がないからだろうと...
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11 笑顔のメダル(2)

<<はじめから読む! <11-1話  後夜祭も終わって、千尋を着替えさせた。千紗を送るという千尋に、靖男はついていった。千紗はご満悦だった。あれこれ積極的に学生たちに話しかけて、連絡先をゲットしていた。さすが肉食女子。思わず声に出していた。...
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11 笑顔のメダル(1)

<<はじめから読む! <10‐3話  おいどこまで行くんだよ、と靖男が聞くと、千尋は、「保健センター!」と一言叫んだ。 「保健センター、今日はやってないぞ!」  ミッキーならば必ず知っている情報を言うと、千尋はぴたっと止まって困った顔をする...
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