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はあぁ、と満足げに溜息をついてそのまま目を閉じていた靖男の意識を引き戻したのは、きゅるるるる、という間抜けな音だった。身体を起こすと、千尋はそっぽを向いている。その耳が真っ赤になっていて、千尋の腹の虫だということがわかり、靖男は笑った。
「うぅ……しょうがないだろ……」
昼食も食べずにベッドに倒れ込んで、今の今まで行為に溺れていたのだから、仕方がない。ほら、拗ねてるなよ、と靖男は千尋の頬にキスをした。
「とりあえず、飯食おうぜ」
「うん……」
腹の上に付着した精液をティッシュで拭ってやって、靖男はさっさと立ち上がり、床の上に脱ぎ捨てられていた下着を身に着けた。千尋も起き上がろうとしたが、靖男は制した。
「無理すんなよ。カップ麺くらいあるよな?」
「うん」
本当は簡単な料理でもできればポイントが高いのだろうけれど、料理スキルは調理実習止まりなので仕方がない。キッチンへ向かおうとしたときに千尋が後ろから声をかける。
「神崎、あの……昼食べたら、今度は俺が……神崎のこと、気持ちよくしたいんだけど」
「……お前ね」
昼飯食えなくなっても知らないぞ、と思ったが、靖男自身も限界だったので、足早にキッチンへと逃げ込んだ。
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