『冥途ノ渚』(りばお)

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レビュー

半月が過ぎてしまいましたが、読書が捗りません。
ギリギリの原稿を抱え、バイトにも行くとなると、やはり4月のようにはいかないなあ……。

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『冥途ノ渚』

今日はA-1グランプリ参加作品から。

『冥途ノ渚』(りばお)

三途の川のほとりに佇む山小屋に訪れる人々を描くオムニバス短編集です。

死んだ者が逝く冥界。
三途の川の手前にある山小屋に気づくのは、生と死の狭間にいる者だけ。
彼らは己自身と向き合い、旅立つのであった。

山小屋には恐ろしい風貌の死神の男と、可愛らしいメイドの少女が暮らしています。
和装メイドっていいですね~!! 普通のメイドさんよりも私は好き!
冥界へ魂を連れていくのが仕事の死神と一緒にいるのに、メイドのナギサちゃんは、戻れるのなら戻った方がいいという考えのようで、死神にしょっちゅうグチグチ言われている模様。

ナギサちゃん自身、もうずっと前に死んでいるのですが、想い人を待ち続けて幾星霜。
何十年も彼女を自宅に住まわせている死神に、とやかく言われたくないとは思いますけれど。

山小屋を訪れる死者は様々な事情を抱えています。

誰にも求められていない、大切にされていないと自死を選んだ若い女性。
一目惚れした少女に話しかけた矢先、事故に巻き込まれた少年。
我が子への虐待を止められなかった母親。

彼らが山小屋での猶予期間を経て、どのような選択をするのか。
自然豊かな三途の川周辺の季節の情景とともに、心の変化が丁寧に綴られています。

「そんなの、生きてから考えればいいんです。今、死んで考えてるみたいに」

『冥途ノ渚』本文

あくせく生きる人には、考える余裕すらないのだということに気づかせてくれる一文でした。

kindle unlimited対象です。

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