烏の緑羽(阿部智里)

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レビュー

11月のお給料日に、どの本を買うかシミュレーションしています。
まぁ全部BLですが……。

「烏の緑羽」(阿部智里)

文庫化を待てないシリーズナンバーワン、八咫烏シリーズの最新刊を読了しました。

壮年になった雪哉の所業に戦いたり、若宮が亡くなっていることに衝撃を受けたり、人間が山内世界に行ったり・・・・・・と、衝撃的な事実がいくつも発覚した第二部一巻、「楽園の烏」。
二巻目「追憶の烏」では、第一部「弥栄の烏」と「楽園の烏」までの間を繋ぐ、雪哉の物語でした。
「楽園~」で突如読者に知らされた若宮(即位していても若宮と呼び続けていてすまない)の死が詳しく語られ、(そして彼に殉じた明留、雪哉に憤る千早)まさかの「あの女」の再登場で幕を下ろした「追憶の烏」。

そして今回、三巻目「烏の緑羽」は誰が主役になるのか、どんな話なのか・・・・・・と表紙を見れば、長束お兄様。
裏表紙で笑っているのは、彼の側近の路近。
そしてさらにその陰に、羽衣を着た、山内衆っぽい人・・・・・・
いや、誰?

読み進めると、裏表紙の謎の人物は、翠寛だということが判明します。この話は「追憶~」の裏(と、言いつつ「追憶~」が若宮の死について犯人を示すところまで全部描いているのに対して、若宮が生きていたときの話がメイン)にあたります。
愉快犯としか思えない、側近の路近を理解できずに悩む長束。
路近の師(彼が勁草院に入るきっかけもつくっている)・清賢からの推薦で、地方で隠居生活を送る翠寛を部下に迎えることになるのがメインの話。

話が進む、というよりも過去話が多いです。
路近が幼少期からいかにやばいやつだったのかが語られます。
父親から死んでほしいと思われる息子、シンプルに怖い。
数奇な運命をたどり、路近の傍仕えにされてしまった少年時代の翠寛、かわいそう。
(当時は翠、本名はまた別)
兄がこんなだから弟が跡取りになるわけですが、こいつもやばいやつ。サイコパス兄弟。
こんなん産んだ母親がかわいそう。

翠寛の周りには、清賢先生も含めて変な人しかいなくて、振り回されてかわいそう。
ひねくれてもしょうがないよな・・・・・・でも翠寛、けっこう自分の信念を曲げない男だよね。
翠寛が長束の教育(?)するところとか好きだし、ラストの方の路近殴るの最高に好き。

雪哉とは真逆の信念を持ち、同じ若宮(紫苑の宮)派でありながら、長束と雪哉は決別します。
「楽園~」ではあまりたくさん語られていなかったような気がする長束サイド。
(というか、雪哉の政策があまりにもディストピアで戦いた記憶しかない)
雪哉VS長束(紫苑の宮)VS「あの女」の三つ巴の対決、次巻では本格的に見られるのでしょうか。
楽しみです。

第一章で清賢に翠寛を推薦されたことを若宮に相談しに行ったとき、

「すぐに応じてもらえなくても諦めてはいけないですよ、兄上」(P44)

「烏の緑羽」

には笑いました。
せやな、二巻・三巻であんなに雪哉に迫ったもんな。
実感のこもったコメントでした。

ラストの父子は、物語の繋がりを考えると、紫苑の宮と翠寛かなあ。

個人的に、早く澄尾さん見たいです・・・・・・。

八咫烏シリーズは、コミカライズもされています。

↑長束様&路近が表紙にいるものを選びました。

また、オーディブルにもなっています。
音声作品になっています。(朗読)
時間がない! という方は、コミックやオーディオブックを利用してみては?

 

 

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