君がいなきゃ涙さえ出ない(沙野風結子)

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レビュー

12月もBL小説でアツアツです。

「君がいなきゃ涙さえ出ない」(沙野風結子)

表紙イラストといい、タイトルといい、センシティブ系の切ない話かな~、と思って買いました。
実際まぁ、辛い過去もちの受けとそれを温かく包む攻めっていう私の好きなカップリングだったのですが、ま~~!

挿絵がエロい!!!
エッチシーンのイラストしかないんですかっていうレベルでエロい!

電車で読むのがこんなに厳しいBLも久しぶりです。
(電車で読むなというツッコミは聞かない)

でもこんなにエロいイラストばっかりなのに、心に残っているのはエッチなシーンよりも、受けが鬱屈としているシーンばかりだ・・・・・・。

受け・志磨の目を通して見る年下攻め・十李が眩しいです。
(が、攻めもトラウマ持ちで中学時代は不登校でした)
十李の溺愛に困惑しつつほだされていくけれど、自分の劣等感が浮き彫りになっていくという描写が秀逸、かつ何度も繰り返されるので、いったい受けは、何を抱えているんだろう? と気になります。

敵として設定されるキャラ(父親、元家庭教師)が本当に嫌な奴すぎてそればっかりが印象に残っています。
「あれ? 現代日本の話だよな?」っていうくらい、父親のお家第一の価値観は、狂気すら感じます。
そりゃ志磨も、彼の母親も歪んじゃうわ。
おっかないもん。

そんな父親が、幸せに暮らしている家族を崩壊させようとしていることを知った受けが、自分と同じ目に遭う少年を救うために前を向く姿がよかったです。

父親のことを尊敬する気持ちも捨てられないっていうのが人間味があるなあ、と思いました。
最初はレールに乗せられただけの医者になるという道を、自分から選び取ったきっかけは、間違いなく父親だったわけで。
まぁ、息子のそんな告白聞いても、父親はアレなんですけど・・・・・・。
普通、自分が誇りをもってやっている仕事を子どもが見て、憧れてくれているって知ったら、もうちょっとこう、喜んだりしません?
この父親も本家の跡取りとして医者になっただけなんだろうな。
総合病院経営じゃなくて他の仕事してたら、医者じゃないレールに乗ってただけなのかな。

とにかく受けの家庭環境がクソだった(言葉が悪い)ので、攻めの家族はめちゃくちゃハピネスでした。
なんだろう。
BL小説というよりも、家族小説読んだような気持ちになってしまった・・・・・・。

攻めの十李は溺愛ってプラスに解釈したけど、一歩間違えば(間違えなくても)ストーカーなんだよなあ・・・・・・。
志磨が寝ている間に勝手にピアス開けるのは、受けの訳ありピアスが好きな私でも、さすがに引く。
独占欲が強すぎて。
なんか爽やか、一途っていう素振りだけどたまに怖いよう。
いや、本人たちがいいならそれでいいんだけどさ・・・・・・。

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