みんな愛してるから 文也(終) <<はじめから読む! <「明美」2話 理が何かを画策していることは、実は早いうちから気がついていた。高校から帰宅すると、珍しく父と内緒話をしていたから、おや、と思ったのがきっかけだった。 母は弟を、父は文也を可愛がるという分担が出来上が... 2020.06.15 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 明美(2) <<はじめから読む! <1話 「あなたは、弟さんが……理くんがしていたことを、全部知っていたんですか?」 夏の午後、夏織は死んだ。腹に子を宿した状態で、元恋人の長谷川彰に刺し殺された。きっかけを作ってしまったのは、明美でもある。懺悔しても... 2020.06.15 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 明美(1) <<はじめから読む! <「理」11話 初老の女性が、棺に縋りついて号泣している。その様子から、死者のことを心から愛していたのだということが伝わってきた。 追従するように響くすすり泣きは、死者を悼むというよりは、場の雰囲気に流されたものの... 2020.06.15 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(11) <<はじめから読む! <この章のはじめから <10話 理の目論見どおりに、彰が夏織を始末してくれた。アカウントはもう、一週間以上前に削除してある。そして、サトルとして過ごすのも、あとわずか。 インターネットで毒にもなる薬品を購入した。金... 2020.06.14 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(10) <<はじめから読む! <この章のはじめから <9話 いよいよ「会いたい」と父が手紙で切り出した。母にばれないように、待ち合わせ場所と時間を指定していた。 きっちりと手紙を折り直した。少女からのものは複雑な形に折られていたので、不器用な理... 2020.06.14 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(9) <<はじめから読む! <この章のはじめから <8話 兄の「おやすみ」の声で眠り、「起きて。遅刻するよ……おはよう」と起こされる日々が、小学生当時の理の幸せだった。文也の優しい声をいつまでも聞いていたくて、わざとぐずぐずと起き出したものだっ... 2020.06.14 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(8) <<はじめから読む! <この章のはじめから <7話 明美は仕事をこなしてくれた。さらに、何も言っていなかったのに、彼女は新居の写真を撮影して、SNSにアップしていた。 夏織は、理の差し出した手紙をビリビリに破った。たった一言にそこまで反... 2020.06.13 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(7) <<はじめから読む! <この章のはじめから <6話 翌日、テラスに現れた理を迎えた明美は、一瞬声をかけるのを躊躇っているようだった。理はこちらから、殊更に明るい声をかける。 「どうかしましたか、先生」 明美は先生と呼ばれるのを喜ぶ。いつ... 2020.06.13 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(6) <<はじめから読む! <この章のはじめから <5話 「ああ、はい。そうなんすよ。オレのこと、なんかやらしい目で見てきて……」 いつもの口調よりもだるそうなものに変えて、理は母家から、固定電話を使用して市役所に苦情を入れていた。 もう一方... 2020.06.12 みんな愛してるからライト文芸長編小説
みんな愛してるから 理(5) <<はじめから読む! <この章のはじめから <4話 連休最終日の昼間に、文也はマンションへと帰っていった。行かないでよ、と言うことはさすがの理もできず、ただ微笑んで、見送った。 夜になってから、理は購入してあったヘアスプレーで髪の色を変... 2020.06.12 みんな愛してるからライト文芸長編小説