短編小説 ねじれの憧れ 「……新入生代表――」 高校一年、入学式の主役といっても、それは入試の成績が一番で、挨拶を任された子だけだ。 自分で考えたのではないだろう(ついこの間まで同じ中学生だったのだから、「ごべんたつ」なんて言葉、人生で初めて使ったに違いない)、誰... 2025.04.17 短編小説青春
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【50】 <<はじめから読む!<【49】エピローグ その日を境に、僕のスマートフォンは、姉からの着信を告げることがなくなった。頻繁にやりとりをする友人は学校にはいないから、大輔や渚からの着信があるくらいのもので、静かな毎日を送ることになった。 夏休み... 2023.11.22 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【49】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【48】 一日中気を張っていたせいで、今日は食事がほとんど喉を通らなかった。昨日の今日なので、両親は僕のことを心配していた。 もともと、高校生男子にしては食が進まない方であるということは自負してい... 2023.11.21 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【48】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【47】 翌日の午前中、親と交渉して休みをもぎ取ってきた大輔と合流して、糸屋へと向かった。嗅ぎつけたのか、大輔から聞いたのか、渚も一緒である。 気分のいい話ではない。大輔は僕の隠し撮り写真フォルダ... 2023.11.20 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【47】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【46】 思い出した。すべて、思い出してしまった。 姉が死ぬ前日、つまり卒業式の日の夜の出来事は、僕の中では完全に黒歴史。思い出したくないトラウマになっていたのだ。 その諸悪の根源である姉が、命を... 2023.11.19 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【46】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【45】 身体が重い。高校受験に卒業式、疲労が蓄積した結果か。体がバキバキで、寝返りを打とうとしたら、動けなかった。 なんで? それに、なんだか揺れている気がする。すわ地震かと、僕は一気に覚醒した... 2023.11.18 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ライト文芸 ごえんのお返しでございます【45】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【44】「姉さん、なんか今日、嬉しそうだね」 自分のイベントでもないのに。 僕の溜息交じりの問いかけに、姉は、「うふふふふ」という笑い声を噛み殺す気がない様子で、にやにやしながら頷いた。「そりゃあ... 2023.11.18 ライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【44】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【43】 大輔と渚に、一緒に帰宅した。家にいた母は、「おかえり」と同時に、目を丸くした。 僕が外出してからも、度々思い出しては泣いたのだろう痕跡が、ありありと残っている。ふたりをもてなそうとして動... 2023.11.16 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【43】 <<<はじめから読む!<<5話のはじめから読む<【42】 呼吸が整ったところで、僕は母に、「もう大丈夫だから」と言い残して、大輔のところへ行くと告げた。 行先を言うなんて、学校で指導されたときには、小学生みたいだと思った。けれど、このセリフ... 2023.11.16 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説
ごえんのお返しでございます ごえんのお返しでございます【42】 <<<はじめから読む!<【41】 予定通り、一日で退院した。母が迎えに来てくれて、僕はスマートフォンを彼女に渡す。いっそのこと壊してしまえれば、と思ったが、自分の金で買ったものではないから、気が引けた。 家に着いてからも、あれこれと世話を焼... 2023.11.14 ごえんのお返しでございますライト文芸長編小説