青春

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ライト文芸

不幸なフーコ(11)

<<はじめから読む!<10話 心底呆れたように、信じられないように、風子以外の誰かが聞けば、そんなニュアンスを感じ取っただろう、「はぁ?」である。 しかし、ここにいるのは風子だけだ。他人の心の機微には、人一倍疎い。 彼女は身をくねらせると、...
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不幸なフーコ(10)

<<はじめから読む!<9話 部活終わりのジャージのまま、風子の家に行った。 小学生の頃から変わらない佇まいに、安堵と同時に言いようのない不安や焦燥に駆られるのは、私だけだろうか。 天木家は変わらない。でも、周りはどんどん進んでいく。そして、...
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不幸なフーコ(9)

<<はじめから読む!<8話 毎日七時間目まで授業を受けた後に、部活に参加するのは、正直身体がしんどい日もあった。 逆によかったことは、部員が少ない上に無理を言って入部してもらったという経緯が香織先輩からみんなに伝わっていて、あれこれと気を遣...
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不幸なフーコ(8)

<<はじめから読む!<7話 五月の連休も明けて、高校生活も少し慣れて、落ち着いてきた。哲宏の大きなお世話のアドバイスをよそに、私は相変わらず、風子と一緒に登下校をするだけの学校生活である。 一応、風子にも「部活とかしなくていいの?」と聞いて...
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不幸なフーコ(7)

<<はじめから読む!<6話 転校してきた風子に、両親がいないということは、割とすぐに広まっていた。 参観日のときに、ひとりだけ祖父母が来る。周りの母親たちに比べて年老いた自分を恥じることなく、風子の祖母は堂々と振る舞っていたし、風子も嬉しそ...
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不幸なフーコ(6)

<<はじめから読む!<5話「今日も天木んちに寄ってきたのか?」 放課後の私の行動を見てきたかのように言うが、中学からの習慣を知っているだけだ。「そうだけど」 何か悪いことでも? という態度を崩さない私に、哲宏は深く溜息をついた。「いい加減、...
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不幸なフーコ(5)

<<はじめから読む!<4話 風子を家まで送り届けた。 高度経済成長期、という歴史の授業でしか知らない時代に、この辺りは開発され、住宅が並び立ったという。 彼女の家は、その頃に建てられたもので、外観は当時のままだ。近所の小学生たちは、ここを「...
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不幸なフーコ(4)

<<はじめから読む!<3話 ひらり手を振って教室を後にする。茅島さんは結局戻ってこなかった。たぶん、教室が無人になってから、こそこそと鞄を取りに戻ってくるに違いない。合わせる顔もないだろうから。 三階の教室を出て、早足で階段を降りる。一階の...
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不幸なフーコ(3)

<<はじめから読む!<2話 進学した高校は、公立高校の滑り止めとして機能しているような学校だ。特進コースですらそんな有様だから、クラスの何人かは新学期への期待感ゼロの、沈んだ顔をしていた。 中学の同級生の茅島さんは、まさしくそのタイプだった...
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不幸なフーコ(2)

<<はじめから読む!「天木あまぎ風子! 四つ葉のクローバーを見つけるのが得意です!」 一学年二クラスしかない小学校だった。一度も同じクラスになったことがない同級生であっても、顔見知りだし、昼休みには、クラスの垣根を越えて遊んでいた。 新学年...
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