ライト文芸

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歌ってマスール(4)

<<はじめから読む!<(3)「ありがとうございましたー」 十八時が近づいてくると、そわそわする。 退勤時間直前に、おかしな客に当たりませんように。 願いながら、ホットスナックの補充をする。 この時間帯は、部活終わりの学生や塾通いの小学生など...
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歌ってマスール(3)

<<はじめから読む!<(2)『九九年七の月に、人類は滅亡するってみんなが言ってたのよ。なのに滅亡しなかったんだもの。参るわぁ』 小学校に上がったとき、母は望美に聞かせるように、独り言を言った。 最初、自分に話しかけられていると思わなかった。...
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歌ってマスール(2)

<<はじめから読む!「いらっしゃいませー」 自動ドアが開くタイミングは、メロディが教えてくれる。それに合わせて挨拶をする。ちら、と窺って、それが同じ学校の生徒ではないことを確認した。 アルバイトは原則禁止だ。原則ということは例外もあるわけで...
ライト文芸

歌ってマスール(1)

八月半ばの体育館は、いくら北海道とはいえ、暑苦しい。 休暇中はTシャツにショートパンツ、風通しのいい格好だったから、余計に。下着だって、パット付きのタンクトップ一枚で過ごしていたから、ワイヤーの入ったブラジャーが窮屈で仕方がない。 乳房の下...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【50】

<<はじめから読む!<【49】エピローグ その日を境に、僕のスマートフォンは、姉からの着信を告げることがなくなった。頻繁にやりとりをする友人は学校にはいないから、大輔や渚からの着信があるくらいのもので、静かな毎日を送ることになった。 夏休み...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【49】

<<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【48】 一日中気を張っていたせいで、今日は食事がほとんど喉を通らなかった。昨日の今日なので、両親は僕のことを心配していた。 もともと、高校生男子にしては食が進まない方であるということは自負してい...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【48】

<<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【47】 翌日の午前中、親と交渉して休みをもぎ取ってきた大輔と合流して、糸屋へと向かった。嗅ぎつけたのか、大輔から聞いたのか、渚も一緒である。 気分のいい話ではない。大輔は僕の隠し撮り写真フォルダ...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【47】

<<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【46】 思い出した。すべて、思い出してしまった。 姉が死ぬ前日、つまり卒業式の日の夜の出来事は、僕の中では完全に黒歴史。思い出したくないトラウマになっていたのだ。 その諸悪の根源である姉が、命を...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【46】

<<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【45】 身体が重い。高校受験に卒業式、疲労が蓄積した結果か。体がバキバキで、寝返りを打とうとしたら、動けなかった。 なんで? それに、なんだか揺れている気がする。すわ地震かと、僕は一気に覚醒した...
ライト文芸

ごえんのお返しでございます【45】

<<<はじめから読む!<<5話のはじめから<【44】「姉さん、なんか今日、嬉しそうだね」 自分のイベントでもないのに。 僕の溜息交じりの問いかけに、姉は、「うふふふふ」という笑い声を噛み殺す気がない様子で、にやにやしながら頷いた。「そりゃあ...
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