スポンサーリンク
短編小説

私のお母さん

産みの親と育ての親が違うのは、まれによくある。  積極的には言わないけれど、親密になるにつれて、打ち明け話をするようになる。一般家庭の子には同情され、腫れ物扱いされる場合もあるけれど、「実は……」と、お互いの秘密を共有する友人もいた。  人...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【17】

<<はじめから読む! <【16】  ジョシュアの言う「今度」は、なかなか訪れなかった。  すっかり回復したボルカノ王が、軍を振り回しているせいで、ジョシュアは家に帰ってこられない日が増えた。朝も早くに出ていくため、朝食の時間くらいしか、話す...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【16】

<<はじめから読む! <【15】  夜会の日から五日、ジョシュアは家に帰ってこなかった。  彼が先頭に立って、医師団と連携を取り、腹痛の解明に挑んだ結果、食中毒であることがわかった。夜会の前に、側近中の側近である貴族を集めての晩餐会があり、...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【15】

<<はじめから読む! <【14】  城を見上げるのは、二度目だった。  一度目は、自分の命を守ることだけを考えていた。母国にとっては、レイナールが生きようが、この地で死のうが、どちらでも構わなかった。死ねば開戦、生きて根づけばそれはそれで使...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【14】

<<はじめから読む! <【13】  レイナールの初めての恋は、六歳の頃だった。  すでに王家に入ることが決まっていたから、残りわずかな親子の時間を、ことさらに実父は大切にしていた。  当時はまだ大臣の地位になく、実務に携わる外交官であった父...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【13】

<<はじめから読む! <【12】  夜になって、レイナールの部屋のドアを叩く音がした。 「はい」  俺だ、と聞くやいなや立ち上がり、出迎える。扉を開けると、冷気がスッと入り込んできて、身が縮こまった。  ジョシュアはレイナールの姿を見て、少...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【12】

<<はじめから読む! <【11】 「レイナール様、少しよろしいでしょうか」  和解したとはいえ、カールはやはりどこかよそよそしい。残るふたりが友好的すぎるだけなのだが、レイナールは彼が話しかけてくると、嬉しいと同時に、背筋が伸びる。  読ん...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【11】

<<はじめから読む! <【10】  ジョシュアにとって、丸一日の休みは珍しいことだ。軍だけでなく、王都における侯爵の仕事もこなさなければならない。領地は祖父に守ってもらって、現在は仕官しているが、そう遠くないうちには、領地に戻る予定だから、...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【10】

<<はじめから読む! <【9】  その夜、ジョシュアはレイナールの部屋を訪れた。  入ってくるなり頭を下げたジョシュアに、面食らってしまう。慌てて顔を上げさせるべく説得するが、彼はなかなかに頑固で、最敬礼の角度を崩さなかった。 「ジョシュア...
BL

白金の花嫁は将軍の希望の花【9】

<<はじめから読む! <【8】  ジョシュアの天然すぎる一面を見た翌日、「もう大丈夫だろう」と、アルバートは領地へと帰っていった。一週間あまりの滞在だったが、なんだかもうずっと一緒に暮らしているかのようで、寂しい。レイナール自身が、ボルカノ...
スポンサーリンク