BL 重低音で恋にオトして(8) <<はじめから読む! <7話 改めて、素面の状態で連れてこられた響一が暮らす部屋は、大学生の独り暮らしにはあはり、分不相応だ。3LDK、明らかにファミリー向けの物件で、しかも南向きの角部屋。 不躾にならない程... 2022.06.28 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(7) <<はじめから読む! <6話 あの日、響一自身の言葉が心に残っていると語ってから、彼はずいぶんと気を許してくれた。ようやく友人になれたのか、響一の口から敬語が消えた。 嬉しい変化であったが、もともとのお喋りの... 2022.06.27 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(6) <<はじめから読む! <5話 「あれ~? 松川まつかわじゃん。それに鈴木も。お前ら知り合いだったのかよ」 耳障りな甲高い声で、しかも早口。顔を見なくてもわかる。石橋である。 少数精鋭を謳う医学部は、学生... 2022.06.26 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(5) <<はじめから読む! <4話 「響一、こっちこっち!」 SNSでの癖で、「キョウ」と呼びかけそうになって、一度飲み込んだ。所在なさげにしている響一に、手をひらひらと振る。 「敬士くん。お待たせしました」 ... 2022.06.26 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(4) <<はじめから読む! <3話 自室のベッドの上、スマホを前にしてちょこんと正座した敬士は、緊張していた。 おかげで、待ちわびていたコール音とともにスマホに手を伸ばしたのはいいが、手が滑って落としてしまった。 ... 2022.06.25 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(3) <<はじめから読む! <2話 土下座をなんとかやめさせた敬士は、キョウ……本名・鈴木すずき響一きょういちと、リビングダイニングのテーブルを挟んで向かい合った。 響一は、茶を出してくれた。湯呑みを持つ手が、カタ... 2022.06.24 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(2) <<はじめから読む! 目を開ければ、見知らぬ天井だった。 敬士がヤリチンと呼ばれる人種なら、隣に見知らぬ女性が……というシーンである。しかし悲しいかな、敬士は童貞。ベッドには、他人の温もりはない。 しばらく... 2022.06.23 BL重低音で恋にオトして長編小説
BL 重低音で恋にオトして(1) 四人兄弟の三番目として生まれて、今年で二十一年。 そのおかげか、空気を読む能力には長けていた。 年上の新入生相手にどう対応すべきか悩んでいる先輩とか、タメ口になっては語尾だけ「……ッす」と、中途半端な敬語に直す同... 2022.06.22 BL重低音で恋にオトして長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(36) <<はじめから読む! <35話 「おい。野乃花。遅刻するぞ」 「遅刻するのは哲宏だけでしょ。私は余裕だもん」 自転車での道のりは、哲宏の学校の方が遠い。私はすでにショートカットルートを開拓しているのだ。も... 2022.06.14 ライト文芸不幸なフーコ長編小説
ライト文芸 不幸なフーコ(35) <<はじめから読む! <34話 冬休み中に謝らなければならない人は、もうひとりいる。 青い顔をしていた私に、「ついていこうか?」と、哲宏が申し出たが、断った。私が向き合わなければならない問題だ。これ以上、哲宏... 2022.06.13 ライト文芸不幸なフーコ長編小説