BL 二週間の恋人(25) <<はじめから読む!<24話 スーツケースを引きずって、隣を歩く青年は、要を気遣っている。何度も「大丈夫ですか?」「休みましょうか?」と尋ねてくるが、そのすべてに首を振った。 俊平はそれを、要が機嫌を損ねているのだと解釈して、右往左往してい... 2020.07.13 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(22) <<はじめから読む!<21話 空港を一人で訪れたのは、何年ぶりだろう。悔恨の気持ちから、要はこの地に己を呪縛していた。修学旅行は仕事だと割り切っていくが、個人的な旅行など、もってのほかだった。 俊平が、土曜日には東京に戻るという情報は、知っ... 2020.07.13 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(21) <<はじめから読む!<20話 言葉通りに、俊平は実習生としての距離感に戻った。言い合いをした後の極端なものではなくて、数学準備室に立ち寄って、他愛のない話をすることもある。 それが正しい関係性だとは、わかっている。だが、要は、俊平が一歩踏み... 2020.07.12 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(20) <<はじめから読む!<19話 俊平が呼んだタクシーに乗せられた。要が自分から喋らないのはいつものことだとしても、俊平までもが無言のままでいるので、重苦しい沈黙が車内を覆っていた。 しばらく車窓を眺めていた要だったが、次第に落ち着きをなくし... 2020.07.12 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(19) <<はじめから読む!<18話 週末の口論――実際には、要が一方的に喚いただけだが――を経て、俊平の反応は顕著だった。まず、数学準備室に必要以上に近寄らなくなった。いないことに気がついて、要が実習生たちの臨時職員室をこっそり覗くと、文系の実習... 2020.07.12 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(18) <<はじめから読む!<17話『だよなあ。ホモなんてキモいよな。可哀想に』 そう言われて、要は困ったように笑うほかなかった。陽介に悪いと思ったが、東京でいくら噂になろうとも、彼へのダメージは少ない。それに、同級生たちも、目まぐるしく動く都会の... 2020.07.11 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(17) <<はじめから読む!<16話「……そのつもりだった。俺も、陽介も」 東大に合格が決まり、要は上京した。刺激的な都会での生活に、時にはためらい、時には楽しみながら順応していった。 それでも、どこまでも真面目な学生だった要は、染まらずに学生生活... 2020.07.11 BL二週間の恋人長編小説
BL 二週間の恋人(16) <<はじめから読む!<15話 要はきれいだからなぁ、というのが、陽介の口癖だった。今以上に数学バカだった要の、中学時代からの唯一の親友だった。特進科に進んだ要と普通科の陽介とでは、教室のある階すら違ったが、昼休みともなれば必ず彼は、要のいる... 2020.07.11 BL二週間の恋人長編小説