美形攻め

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臆病な牙(18)

<<はじめから読む! <17話  冬夜が子供たちに向けた劇の題材として選んだのは、『泣いた赤鬼』だった。 『はぁ……僕は村の人たちと、仲良くなりたいだけなのに……』  主人公の赤鬼は、香山にやってもらった。無邪気で愛らしい顔立ちの香山に、子...
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臆病な牙(17)

<<はじめから読む! <16話 「月島、準備できてる?」  準備用に割り当てられた小部屋がノックされた。ああ、と言いながら外に出る。香山は冬夜の姿を認めて、ぷっと噴き出した。 「お前ぇ、笑うなよ」 「いやぁ、だって似合いすぎでしょ」  そう...
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臆病な牙(16)

<<はじめから読む! <15話  駅前のコンビニを見る度に、慎太郎のことを思い出して悲しくなってしまうので、冬夜は昼間であっても、店に立ち寄らなくなった。  不便といえば不便だが、電車に乗る前に買い物を済ませてしまえば、わざわざ行く必要もな...
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臆病な牙(15)

<<はじめから読む! <14話  店を出て、二次会に行くグループと帰宅するグループに分かれる。当然、冬夜は帰ろうとしていたのだが、橋本が首に腕を巻きつけてきた。 「おい橋本……苦しいっての」 「なんだよー。帰るのかよ! 今日全然話してねぇじ...
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臆病な牙(14)

<<はじめから読む! <13話  また来週、という約束は、反故にされた。  コール音だけが、むなしく耳元で響いている。学生会館の廊下で、誰もいないことをいいことに、冬夜は小さく舌打ちをして、通話を切断した。  授業後にミーティングを行い、そ...
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臆病な牙(13)

<<はじめから読む! <12話  二人で遊びに行く定番の場所は、映画館のレイトショーだ。  九月、まだ余裕で夏休み中の冬夜は、寝坊しても支障がないのをいいことに、話題の映画を慎太郎とともに、いくつも見に行っていた。 「す……っごく面白かった...
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臆病な牙(12)

<<はじめから読む! <11話 「もう、はぐれちゃだめだからな」  うん、と何度も大きく頷いて、少年は手を振りながら、その場を去って行った。ぼんやりと彼に手を振り返したままでいた冬夜の肩を、慎太郎がぽん、と叩いた。 「慎太郎……」  冬夜の...
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臆病な牙(11)

<<はじめから読む! <10話  慎太郎と顔を見合わせ、二人できょろきょろと辺りを見渡すと、水色の甚平を纏った、五歳くらいの男児が、涙を擦り、しゃくりあげながらとぼとぼと歩いているのを見つけた。  疑いようもなく、迷子である。周囲には何人も...
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臆病な牙(10)

<<はじめから読む! <9話  慎太郎が半吸血鬼で、血液を必要としているとわかった日から、待ち合わせの場所は、駅前ではなくて、慎太郎の部屋になった。  遊びに行くのも週に一回程度だし、外で貧血で倒れられても困る。  定期的に血を飲んでいれば...
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臆病な牙(9)

<<はじめから読む! <8話 「いっ!」 「大丈夫かよ、月島」  サークル活動を通して、だいぶ上達したと思った針仕事であったが、気を抜くと指を突き刺してしまう。  香山が「絆創膏いる?」と尋ねてくるが、ぽっちりと血が滲んだだけなので、断って...
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