葉咲

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短編小説

耳たぶの献身

盆の季節、田舎の居酒屋は繁盛している。「しゃーせー!」と、若いアルバイト店員の威勢のいい声は、半ばやけくそに聞こえた。  広い座敷を一間借り切っての高校の同窓会は、年に一、二回開催されているが、私が出席するのは、久しぶりのことだった。 「芙...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【30】

<<<はじめから読む! <<3話のはじめから <【29】  引き返してきた僕のことを、糸子はちらりと見上げた。いつもと違う。そう思ったのは、彼女がずっとこちらを見据えているからだ。普段はすぐに目を逸らすのに。  微笑みを絶やさない彼女は、人...
イベントその他

「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり展」@弥生美術館

9月30日~、弥生美術館で開催中の展覧会に行ってきました。 弥生美術館は東京大学本郷キャンパス・弥生門のほぼ真向かい。私は在学中は根津駅から通っていたので、この門を毎日使っていました。なのに一回も行ってないっていうね!竹久夢二美術館と併設に...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【29】

<<<はじめから読む! <<3話のはじめから <【28】  大輔と渚は、ずいぶん先に行ってしまっていた。慌てて追いかけていく。  方角を誤らないのは、大輔の「なーぎさー」という、なんとも情けない悲鳴のおかげだった。彼の馬鹿でかい声に感謝した...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【28】

<<<はじめから読む! <<3話のはじめから <【27】  いつだってこの入り口に立つときは緊張するのだが、今日はひとしおだった。なにせ、ひとりじゃない。  僕の隣でワクワクを隠せていない大輔を見上げて、こっそりと息をつく。  コロッケ一個...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【27】

<<<はじめから読む! <<3話のはじめから <【26】  荷物を発送して、さらに気温が上がった昼下がりの道を歩く。  足取りが重いのは、暑さのせいだけじゃない。  家に帰りたくない。母親と再び顔を合わせるのが怖い。またいつもの、陰気な顔を...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【26】

<<<はじめから読む! <【25】  土曜日の昼下がり、僕は自室でぼんやりと過ごしていた。宿題なんてすぐに終わってしまって、ベッドに寝転んでいた。  暇な時間は久しぶりだった。何をして過ごしていたのかと考えれば、胸が痛む。美空と会うために病...
ごえんのお返しでございます

ごえんのお返しでございます【25】

<<はじめから読む! <【24】 第三話 黒い糸  七月も半ばになり、あと十日ほどで終業式。梅雨がようやく明け、まぶしい太陽にさらされる季節だが、僕の心には、まだどんよりと重い雲がのしかかったままだ。  帰りのホームルームが終わり、掃除当番...
レビュー

獣神様とは番えない~アルファの溺愛花嫁さま~(村崎樹)

久しぶりにBL小説を買って摂取しました。 やっぱりいいねえ~。 「獣神様とは番えない~アルファの溺愛花嫁さま~」(村崎樹) タイムリミットが近づいている。獣神様には番が必要で!? 獣に姿を変え国を護る獣神には「薬花」と番わなければ解けない呪...
レビュー

夏の読了本

お久しぶりの読了本リストです。 真夏の公募マラソン(短編中編合わせて5本〆切抱えていた)や、単純に暑くて図書館に行かなかったりで、なかなか本を読まなかったので、夏でまとめました。 あと、一目惚れしたローファーを買うためにお金を貯めていたので...
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