長編小説

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二週間の恋人(6)

<<はじめから読む! <5話  おずおずと扉が開いた。せんせい、と泣きそうな声をあげて立っていたのは、中学一年の生徒だった。要は腰を上げて、少年に近づく。 「どうした? 昨日の授業でわからないところでも、あったのか?」  抑揚があまりない声...
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二週間の恋人(5)

<<はじめから読む! <4話  四時間目は要も授業がなく、俊平にさせる授業見学もなかった。空き時間で彼は、さっさと授業見学の記録をつけていた。備え付けたポットを使い、お茶を淹れた要は、席に戻る前に後ろからちらり、と覗き込む。  豪快そうな見...
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二週間の恋人(4)

<<はじめから読む! <3話  火曜の三時間目は、高校二年、特進科理系の授業だった。使用するプリントの束を、隣にいる背の高い青年は、「持ちますよ」と要の了承も得ずに、取り上げた。  俺が持つ、と強固に主張するのも大人げないか。要は素直に渡し...
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二週間の恋人(3)

<<はじめから読む! <2話 「函館は久しぶりか?」  軽い雑談の始まりを察して、俊平は表情を明るくした。大きな口を開けて笑い、首肯する。 「サークルとかテストとかで、夏休みもあんまり帰省していなくって。この時期に帰ってこれてほっとしてます...
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二週間の恋人(2)

<1話  今年の実習生は十人。そのうち数学科は俊平だけだった。まずは全体説明を受け、それから手の空いている時間帯に、各教科の担当教員とミーティングを行う。 「数学科の瀬川です。新田先生は、中学の免許も取る予定だったね。今日から三週間、よろし...
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二週間の恋人(1)

「東京大学から来ました。新田にった俊平しゅんぺいです。担当教科は数学です。よろしくお願いします」  男ばかりの黒と白の群が、彼の挨拶を聞いた瞬間に、ざわめいた。要かなめは自分のクラスの生徒たちを、眼鏡の奥から軽く睨みつける。  真っ先に気が...
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臆病な牙(25)【終】

<<はじめから読む! <24話  恋人になってからも慎太郎は、相変わらず優しく、臆病だった。冬夜の願いをすべて叶えようとするので、彼を止めるのに大変なときもあった。 「ところでさ、ずっと聞きたかったことがあんだけど」  キッチンでコーヒーを...
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保護中: 臆病な牙(24)

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保護中: 臆病な牙(23)

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臆病な牙(22)

<<はじめから読む! <21話  慎太郎の腕の力が緩む気配はなかった。冬夜がそわそわと落ち着かない気持ちになっていると、彼は、低く唸り声をあげた。 「もう、我慢できない……」  我慢? 何を?  冬夜が疑問を浮かべたそのとき、慎太郎の腕の力...
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